これだけは押さえておきたい!研究計画書の書き方

これだけは押さえておきたい!研究計画書の書き方
この記事はこんな悩みを解決します
  • 計画書の書き方がわからない
  • 何に気をつけて計画書を書けばいいのかわからない
  • 計画書って意味ある?

国や県からの補助金をもらったり、学生なら学振に応募するときなどに研究計画書を書く必要があると思います。しかし、指定された項目を埋めるにしてもどのように書いていけばいいのか分からない、という悩みがあると思います。今回は研究歴10年の私がどのように研究計画書を書いているかを紹介します。

この記事を読むことで研究計画書の書き方がわかります。

これだけは押さえておきたい!研究計画書の書き方

そもそも研究計画書は誰が何をするための書類なのでしょうか?国がその研究を行うために補助金を出したり、企業だとその研究を行う価値があるか判断するためのものですよね。どちらにしても相手に対してどれだけ論理的に説得力のある文章がかけるかがポイントです。これが分かっていれば研究計画書の書き方が見えてきます。

研究計画書に求められるのは主に下記の項目です。

研究計画書で求められる項目
  • 研究テーマ
  • 背景と目的
  • 方法
  • 予想される結果
  • 参考文献

ほぼ論文と同じです。ただ、計画なので結果と考察がなく、予想される結果になっています。

では、それぞれについてどのように書いていくか紹介します。

研究テーマ

1文で自分の研究テーマを表す文章を書きましょう。
ここから書き始める必要はなく、他の項目を全部書いてから考えると内容とマッチしたテーマが書けます。最初に仮のテーマを書いておいても良いですね。

テーマは漠然としたものはさけましょう。例えば「〇〇の検討」のような漠然としたものではなく「〇〇が〇〇に与える影響」のように詳しく書きましょう。ただ、長すぎると読みにくくなったり、意味が通じにくくなるので注意が必要です。

テーマを読んだだけでその後に書いてあることがなんとなく分かるような文章だと良いですね。
これらのポイントを下記にまとめます。

研究テーマを書くときのポイント

  • 全て書いた後にもう一度検討する
  • 具体的に書く
  • 長すぎない文章にする

背景と目的

読者がここで知りたいのは「そもそも、その研究って必要?」ということです。
そのため、下記のポイントに気をつけましょう。

背景と目的のポイント

  • 何のための研究か?
  • どんな研究が行われてきているのか?
  • どんな課題があるのか?

過去の論文の内容と関連づけて書くことができると信憑性が高まります。関連のある論文は全て読んで必要最低限のものを引用すると内容を濃くすることができます。

ここがしっかりと書けていないと後に書くことのインパクトが減少します。必要な研究だと認識してもらえないと「やる意味ないんじゃないの?」と思いながら読むことになるので評価が低くなります。

成果については少し盛っても大丈夫です。「〇〇が治療できるようになる」のような大きな課題を解決するために必要な研究だ、という論調で書いていきましょう。

方法

読者がここで知りたいのは「実現可能なの?」ということです。
実現可能には設備面と方法の妥当性が含まれます。

背景と目的で研究の意義が伝わっても「検証する方法がありません」では計画書が通る訳ないですよね。一般的な研究室でもできる実験ということや自分の研究室でも行ったことがある実験ということを妥当性と一緒にアピールできると良いでしょう。

また、研究が上手くいった場合の方法も書いておきましょう。

研究というのは論理の積み上げなので目的を達成するために1つの実験だけ、ということはあまりないです。この実験で良い結果が出てきたらこの実験を行うことで目的が達成する、ということが多いと思います。そのため、良い結果が出てきた場合の実験とその実験の妥当性も書いておきましょう。

予想される結果

読者がここで知りたいのは「論理的に考えれているか?」ということです。

背景と目的や方法で書いてきたことを論理的に考えて結果を予想できているかが問われています。計画を通すために自分に都合のいい結果を予想していると却下されます。

できるだけ正直に予想される結果を書き、その上で良い結果が出た場合にどんな良いことがあるのか書きましょう。

背景で漠然としたビッグピクチャーを書いておき、ここでは過去の論文と関連づけて具体的に社会にとってどんな良いことがああるのか書いていきます。研究テーマによっては少し難しいですが頑張って論文を読んで論理を立ててみましょう。

参考文献

参考文献で気をつけることが特にないです。
論文を参考にしたり、提出先が指定している方法で書けば十分です。

計画書を書くときのポイント

研究計画書の書き方について紹介してきました。
しかし、こうした計画書は誰に提出するのかで書き方が少し変わってきます。そのため、常に読み手を意識して書く、ということが重要になります。

例えばこの研究について何も知らない人に対して書くのか、すでに知識がある人に書くのかで内容の具体性は変わってきます。すでに知識がある人に基本の「き」のような説明をしても釈迦に説法ですよね。

逆に研究について知らない人に書く場合には基本の「き」から書く必要があるでしょう。よく小学生に説明するつもりで書く、ということを言われますが実際に小学生に説明するとしたら内容が薄すぎるので(笑)、高校生ぐらいに説明するつもりで書きましょう。

専門用語を使っても分からないから無理でしょ、と思うかもしれませんがその専門用語が何を示しているか説明することができます。例えば、ウエスタンブロットという言葉が分からなくても特定のタンパク質の量を比較する方法、という説明を加えることで何となく伝わりますよね。

そもそも研究内容がしょぼい

計画書を書くうえで「自分の研究内容がしょぼいんだけと、どうしたらいいですか?」という人もいると思います。

企業ではもちろん、大学院でも教授と相談して研究内容を変更することができます。ただ、全く違う研究内容にする、という訳ではなく自分でこんな方向で研究を進めたらインパクトのある研究になんじゃないか、というものを考えて提案しましょう。

同じ研究をするならインパクトのある研究がしたいですよね。それは教授も同じです。しかし、教授は何人もの学生を相手にしているので生産性の低いテーマを設定してしまうこともあります。

100%研究にコミットできる自分が研究について本気で考えて自分で納得できるものにしていきましょう。

計画書は必要ない

計画書の書き方について紹介しましたが、計画書なしで進めるのが一番効率が良いです。

いちいち文字にしていると時間がかかりますし、研究は未知のことをやるから研究なのであって「やってみて予想とは違う結果になったから別の方向に進むことにした」ということは良くあります。それなのに、一生懸命に計画書を作っても生産性が低くなるだけです。

それに、ある程度研究スキルがつくと他者の意見が参考にならなくなります。計画書には自分の考えが足りていないところを補う、という意味もありますが研究スキルが身につくと参考になる意見が無くなっていきます。

自分の責任で研究を進めて結果を報告する、これが最高に生産性の高い研究の進め方になります。

まとめ

今回は研究計画書の書き方について紹介しました。

今回紹介したポイントを押さえておくことで計画書の完成度がかなり向上すると思います。根本は読み手の知りたいことを考えるということです。

分かっていても計画書を書くときにはこうしたポイントを忘れてしまいがちなので、計画書を書くときにはこのページを開いて詰まったときに見ながら書いてもらえればと思います。

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