研究職ってどんな仕事?混同しやすい5つの職種
- 研究職ってどんな仕事?
- 研究職に似た仕事に就職したいと思っている
- 研究職と似た様な仕事の違いが知りたい
研究職への就職を考えているけどイマイチ研究職がどんな仕事か分からない、という人もいると思います。私も大学院での研究と企業での研究の違いが分からないまま就職しました。研究職の他にも技術員や製造の様な似た職種もあります。今回はこれらにどんな違いがあるのか紹介していきます。
この記事を読むことで研究職と混同しやすい職種について理解できます。
研究職ってどんな仕事?混同しやすい5つの職種
研究職というと多くの人はポスドクの仕事や企業での研究を思い浮かべると思います。しかし、広い意味で捉えると開発職や技術員というのも含み、研究職がどんな職業なのか分かりにくくなっています。
研究職を広い範囲で捉えると下記の5つのタイプに分類できます。
- 大学での研究職
- 企業での研究職
- 開発職
- 技術員
- 製造職、品質管理職
これらについて紛らわしい働き方と比較しながら解説していきます。
大学と企業の研究職の違い
一番の大きな違いは個人の裁量です。大学での研究職というのは個人の裁量が大きく教授に納得してもらえれば自分の興味関心に従って研究できます。
これが一番のメリットです。企業での研究職が組織を説得しないといけないのに対して大学での研究職は教授だけ説得すれば良いです。この低いハードルのおかげで研究職の課題を解決する楽しさが得られやすくなります。
他人に指示されたことではなく自分で問題意識を持ってそれを解決するというのはとても楽しく中毒性があります。自分で試行錯誤している間は辛いですが、目標が達成できた時の喜びはとても大きなものになります。
しかし、大学での研究職は結果が出なかったとしても責任は全て自分にあります。教授や同僚からアドバイスをもらう事は出来ますが最終的に決断するのは自分です。
この点、企業の研究職は上司が責任を持ちます。自分の研究がうまく行かなかったとしてもその責任は上司や会社にあり個人で責任と取らされる事はありません。それに研究というのは失敗が前提です。誰も知らないことにチャレンジするので予想通りに実験が行かなかったとしてもしょうがない部分があります。
企業での研究は責任が少ないのですがその分だけ裁量も少なくなります。自分が興味のあることをしたい場合はそれが会社の利益になるということを説明しなくてはなりません。
市場の動向や研究の難易度、必要な費用や時間など説明して承諾をもらってからスタートします。大学での研究とは大きな違いですよね。ただ、給料をもらっている立場なので仕方がないとは思います。
これらをまとめると下記の様になります。
- 大学での研究…研究の自由度は高いが責任が重い
- 企業での研究…研究の自由度は低いが責任が軽い
研究職と開発職の違い
企業で研究をするときに間違えやすいのは研究と開発の業務内容です。研究職は商品の開発に繋がる基礎データを集める研究なのに対し、開発は商品を作るための研究です。一番の違いは研究が粘り強く1つのテーマを行うのに対し開発職はダメなら次のテーマに進むということです。
大学で行なっている研究は企業での研究職よりの研究を行なっています。ただ、企業は商品開発を見据えての基礎研究なので大学よりも少し発展的な基礎研究になります。
大学での研究の目的が科学の発展なのに対し企業の研究の目的が利益のためなので当然かと思います。
開発職はそういった基礎的なデータを元に市場のニーズに合った商品が作れないか検討し、もしうまく行かなかったとしても深い理由までは突き詰めません。その理由を探るのは研究職の役割になります。そのため、研究と開発というのは連携を取りながら仕事が進められることが多くなります。
これらをまとめると下記の様になります
- 研究職…疑問に対して突き詰めて考える
- 開発職…商品ができるか出来ないかに焦点を当てている
技術員という働き方
研究職と混合しやすい職種として技術員があります。研究職と同じ様に実験を行うのですが、大きな違いは実験を組み立てたり考察するかどうかです。
研究というのは問題に対して過去のデータを調べて実験を行い問題を解決するという仕事です。多くの人は研究職の人が実験ばかりしていると思っていますが、実験というのは研究職の仕事の一部でしかなく、データを調べたり結果をまとめるという仕事もしています。ただ、研究職が実験もしてデータをまとめてというのをしていると手が回らないので実験の部分を技術員が行います。
つまり、技術員というのは研究の中の実験という一部分を専門的に行う人のことを言います。
研究室に配属される人もいれば特定の機会を扱うために配属される人もいます。高級な機械を扱うのに慣れていない人が扱うよりも専門の人を雇った方が故障のリスクが少なくなる場合などが当てはまります。他にも実験動物の世話だったり、研究室の備品などの管理を行う人もいます。
大学院などで研究をしているのに論文を読まず教授に指示されたことだけ行っている様な人はほぼ技術員といってもいいでしょう。
製造、品質管理という働き方
大学で研究を行なった人の就職先として製造、品質管理という職種があります。この職種は新たに開発された商品が大量生産できるのか研究しています。もちろん、生産した商品の品質が保証されているのかもセットで検討します。
研究はスモールスケールで行われるのですが利益を得るためにはビッグスケールで製造しなければなりません。そして、スモールスケールでうまくいったけどビッグスケールになるとうまく行かない、ということは頻繁に起こります。
こうした問題に取り組むのが製造の仕事です。
もちろん、製造がうまくいけば市場に流通させるためにルーティーン的に製造の仕事をすることになります。ただ、ずっと同じことを行うのではなく、原材料の変化や気温や湿度など製造に関わる微かな変化に対応して製造を行います。
品質管理は商品の強みを科学的に立証できるかを検討します。
開発の段階で得られた商品の特徴がビッグスケールで製造したときにも維持されているのか検討します。さらに、食品であれば食べても大丈夫なのか?医薬品であれば患者に投与しても安全なのか?という試験を行います。
こうした品質が担保できなければ再び製造方法を検討することになります。
まとめ
今回は研究職に似た仕事にどの様なものがあるか紹介しました。
どの仕事だから優れているということではなく、どの仕事も世の中になくてはならない仕事です。どの仕事が自分とあっているのか考えて選ぶ様にしてみましょう。