ブラック研究室の特徴と見分け方

ブラック研究室の特徴と見分け方
この記事はこんな悩みを解決します
  • 研究室の選び方に迷っている
  • ブラック研究室の特徴ってなに?
  • ブラックな研究室に入ってしまった場合どうしたらいいの?

研究室というのは今までに勉強してきたことを実践する場です。毎日実験することを考えるとワクワクするかもしれませんが研究室選びでミスをすると毎日が苦痛になってしまいます。そうならないためにもブラック研究室の特徴を理解してそういった研究室に入らない様にしましょう。

この記事を読むことでブラックな研究室を見分けることができます。

ブラック研究室の特徴と見分け方

私自身、学生の時はブラックな研究室に入ることは有りませんでした。しかし、上司がブラックな研究室の出身でその研究室の常識を企業の研究に当てはめていたため、ブラックな職場となっていきました。そんな私の体験を元にブラック研究室の特徴を書いていきます。

ブラックな研究室とは何か?この問いに対して明確な答えはありません。しかし、一言で言うなら研究者を無力化する研究室です。

ヨギボーが人をダメにするソファーならブラック研究室が人をダメにする研究室と言ったところです(笑)。

ちなみに長時間研究しているとブラックだ、と言う人もいますがその人が納得して深夜まで研究している場合やその人が長時間の研究で成長しているのであれば問題ないと思うのでここでは含んでいません。

では、こんなブラック研究室にどんな特徴があるのか紹介していきます。

実験が全て管理されている

研究テーマを割り当てられて最初にどの様に研究を進めていくか指定されるのは仕方ありません。割り当てられた研究を進めるにもその研究について右も左も分からないですからね。しかし、その後もずっと自分がやるべき実験を指定してくる場合、ブラックな研究室の可能性が高いです。

例えば、何か実験を行う度に報告する様に義務付けられている研究室などが当てはまります。報告する度に「それじゃ、次はこれをやって」と言う様に答えがすぐに提示されます。一見、優しい教授の様に思いますがこれでは学生が育ちません。

研究は自分で試行錯誤するところが面白いところですし、研究者として一人前になるためには必要不可欠な過程です。それにもかかわらず、すぐに答えをもらっていてはただ実験が上手くなるだけで研究者としての能力は高まりません。

自分で実験をしてその結果を論文や過去のデータと比較して自分なりに解釈し、次に「こう言う結果が出れば面白いかも?」と仮説を立てて実験する。その繰り返しで研究者として成長できます。

ただ、教授が優しい場合はこの問題を解決できます。

教授は自分がすぐに答えを出すことで学生が成長しないと分かっていないだけです。そのため、結果を報告する時には結果を自分なりに解釈し、次にどの様な実験をするのかまで報告する様にしましょう。教授も「そう言う考えがあるなら。」と受け入れてくれると思います。

もし自分の意見が否定されたとしても感情的になってはいけません。客観的に見て教授の論理が合理的なのか判断しましょう。もし、自分の考えが劣っていても問題ありません。一度自分で考えた過程が自分を研究者として成長させてくれます。

学生からすぐに愚痴が引き出せる

実験の管理が厳しく教授の性格が怖い場合、学生から愚痴が出やすくなっています。

こうした研究室では教授が学生を労働力としてしか見ていません。自分が絶対的な神だと思っているので理不尽なことを言っていても自分で気づけません。このタイプの教授は「学生は自分の行った通りに研究していればいいんだ。」ぐらいに思っています。学生が卒業して企業や別の研究室で働いて活躍できるかなど一ミリも考えていません。

そのため、学生は普段から教授の愚痴を言いながら研究をしています。

こうした最悪な環境では愚痴を言ってないとやってられませんからね。私も企業でこうした体制の部署で働くことになり毎日の様に愚痴を言って笑い飛ばしてました。そうしないと本当に辛いです。理不尽なことを言う上司を避難していると自分の辛さを共有することができてストレスが軽減されました。

こうした研究室に入ると本当にヤバイので研究室訪問をしてどんな教授なのか学生から話を聞く様にしましょう。「教授は優しそうに見えるけど実際は管理が厳しくて自由に実験できないんじゃないですか?」と言う様な質問をした時にすぐに否定する言葉が出てこないとヤバイ研究室かもしれません。

論文の情報が軽視される

教授の性格が厳しいだけでなく、論文などのデータを元に話をしてもこちらの意見を受け入れない場合かなりヤバイです。私の上司は「それは論文の話でしょ」と言って私の意見を否定していました。

研究は科学的なデータを積み重ねていくものです。それなのに過去のデータを否定していては科学が発展していきませんよね。

もちろん、再現性の低いデータが論文に掲載されていることはあります。そのため、このデータが正しいのかと言うことは常に考えなければなりません。しかし、否定するための論理がなかったり自分で確認実験もしてもいないのに論文のデータを最初から否定してくる場合、その教授はかなりヤバイです。

論文の情報がアテにならないのなら何を信用するのか分かりませんよね。科学の全てを否定していると言っても過言ではありません。科学よりも自分が偉いとでも言いたいのでしょうか?

研究室に訪問した際には学生に論文を読んでいるか聞いて見ましょう。

ちゃんと論文のデータを元に議論している研究室なら論文を読んでいるはずです。逆に教授が論文を軽視しているなら論文を読んでいないでしょう。そうした研究室の文化が学生たちから伝わってくるはずです。

こうした研究室の文化を知るためにも研究室を選ぶ時には必ず研究室を訪問する様にしましょう。

ブラックな研究室に入ってしまった場合の対策

ブラックな研究室を見抜けなかったり、すでにブラックな研究室に入ってしまったと言う人もいると思います。おまけとしてそうした場合の対策方法も紹介していきます。

就活を始める

研究職にこだわっていない場合は就活に力を入れましょう。学部生なら大した結果がなくても卒業できますし、修士なら卒業せずに中退して就職することを念頭においてもいいでしょう。

無理にその研究室で頑張っても頑張り方が間違っているので成果が出ません。就職して職場で何かしらのスキルを身につけた方が長期的に見たときに役立ちます。

インターンもあり

就活は違うな、と思ったらインターンに行ってみましょう。インターンにいくことでその企業に入社しやすくなりますし、社会人がどの様に働いているか分かります。研究職に就きたいと思っていても実際に普通の社会人として働いてみると思ったよりも楽しかったと言う発見もあるかもしれません。

それに、修士だとしても思ったより結果がなくても卒業させてくれます。自分で行っていない過去のデータを説明したりすることで何とか研究した風な感じを出すことが出来ます。

別の研究室に入る

絶対に研究室に就きたい、けど研究室がブラックと言う場合は学部生から修士、修士から博士のタイミングで研究室を変えましょう。

学部生から修士の場合は全く違う研究でもいいのですが、修士から博士と言う場合は関連のある研究でないと卒業が難しくなります。研究室を変えると思っていると今が辛くても数年程度なら耐えれるのではないでしょうか?

耐えれない場合はやめる

どうしても耐えられない、と言う場合はやめましょう。世の中には研究以外にも楽しいことがたくさんあります。やめた時は絶望を感じるかもしれませんが、時間が経つにつれて人生は好転していきます。絶望が谷底なのでそこからは登ることしかありません。

私も10年研究を行ってきて研究職を辞めようと思いました。最初は絶望を感じて何もやる気が起きなくなりましたがすぐに慣れてきて今は人生を前向きに考えています。

今、ブラックな研究室で絶望したと言うことは社会に出てもそうなる可能性があります。それに気づけただけ私よりもマシじゃないかなと思います。

まとめ

今回はブラックな研究室の見分け方とブラックな研究室に入ってしまった場合の対処法を紹介しました。

ブラックな研究室に入るとお金を払って仕事をしている状態になるので良いことがありません。授業料を払っているのでその分自分のスキルアップができる研究室を選ぶ様にしましょう。

そのためにもブラックでないことに加え他の指標も参考にしなければなりません。

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