圧倒的に成長するための研究の進め方
- 研究を通じて自分を成長させたい
- 研究でどんなスキルが身につくの?
- どんな意識を持って研究すれば成長できるの?
大学院へ進学する理由として専門知識を学ぶだけではなく、自分を成長させたいからという人も多いと思います。しかし、実際は実験という作業をしているだけで自分が成長できていないという人も多いと思います。「成長」という漠然としたものではなく具体的な能力を意識しなければ成長できません。そこで、今回は企業でも研究をしてきた私が学生の頃に鍛えて役に立った能力やこれを鍛えておけば良かったと思う能力を紹介していきます。
この記事を読むことで研究室でどのように過ごせば成長できるのかが分かります。
圧倒的に成長するための研究の進め方
研究室で専門的な知識が身につくというのは当たり前ですがその土台となる社会人としてのスキルも身につきます。
多くの人は専門的なスキルを身につけ一人で研究を進めれるようになりたい、大きな発見ができるようになりたい、と思うのですが社会に出て役立つのは研究を通じて培った社会人スキルです。
専門的なスキルは研究をするときには役に立ちますが普通に研究室に行って実験していれば誰もが同じぐらいのスキルになります。もちろん知識も身につきますが社会に出るとその知識を使うことはあまり無いでしょう。ほとんどの場合、教科書レベルの知識が必要とされ、あとは自分のテーマを進めるために自分で勉強していくことになります。それに社会人スキルがあれば専門的スキルも早く身につきます。
というわけで、研究を通じて社会人スキルを高める方が他人よりも成長できて社会でも役立つ人材になります。
では、研究でどのような社会人スキルが身につくのでしょうか?
- 報連相
- 論理的思考力
- 自己管理能力
- 目配り気配りする能力
こうした能力を意識して伸ばすことで圧倒的に成長できます。
報連相
社会に出て一番必要なのはこの能力です。組織として動く時に情報があちこちに散らばっていると効率的に仕事が出来ません。いちいち担当者を調べて情報を聞きに行くよりは上司が情報を統括して何かあったら上司に相談するという体制にした方が効率が良いですよね。
研究室では教授が情報を持っているので研究で結果が出るたびに教授に報告したり、迷ったときには教授に相談した方が効率よく研究が進みます。もちろん、何でも教授に訊くのではなく簡単な疑問なら先輩に聞けば十分です。この辺の匙加減も会社での仕事と同じです。
私の失敗
私はとりあえず自分でやってみるというやり方で研究をしていました。コミュニケーションが苦手だったので失敗から学んで成功させて行くタイプでした。しかし、これだと失敗する時間が勿体無いので効率的ではありません。教授に聞けば必要な論文を紹介してくれたり、過去の結果を教えてくれたでしょう。
こうした能力を学生のときに身につけなかったので企業でも自分で実験して怒られる、ということがありました。研究室にいるとコストについて考えませんが、企業で働くときにはコストも意識します。自分で進めて失敗する、というのは会社にとって無駄なコストになりますよね。
こうした経験から研究室でも報連相して研究を進めるやり方をしていれば効率的に進んだろうな、と後悔しています。
コミュニケーションが苦手かもしれませんがそれを克服するというのも自分の成長を促します。皆さんは報連相しながら研究を進めてください。
論理的思考力
研究する上で一番身につくのは論理的思考力です。様々な情報を使って一つのことをとことん突き詰めるため論理的に考える習慣が身につきます。また、結果を報告するときにもどのように説明したらわかりやすいか考えることで論理的思考力の訓練になります。
企業では合理的に仕事を進める必要があります。どうしたら低コストで最大限のリターンが得られるかを考えます。しかし、社会に出ると感情で動いてしまう人が多くいます。自分が論理的だと思っている人ほどバイアスがかかって不合理な決定をしてしまいます。これでは会社の利益や世の中の利益が生み出せません。
研究の場合は失敗したときこうしたバイアスがかかっていないか見つめ直す機会になります。何度も失敗を繰り返すことで感情を排除して論理的な考え方ができるようになります。
論理的思考力を鍛えるには英語力が必須です
英語力がないと与えられた知識でしか考えることができないのであまり論理的な思考力が鍛えられません。自分で情報を探してくるためにも最低限の英語力は持っておきましょう。
私は学部生の時から英語が必要だと思っていたので少しずつ勉強していました。大学院に入学するときにはTOEICが680点でもっと早く論文が読みたいと感じたのでTOEIC800点ぐらいあると良いかもですね。
先輩や教授に訊くのが一番早い
自分で考えることも必要ですが報連相をして先輩や教授の考察も訊いてみましょう。最初から答えを訊いてはいけませんが自分でこれ以上ないぐらい考えた後に教授や先輩の考察を訊くと参考になります。なせそんな考察をしたのか、自分の考えとどこが違うのか分析すると自分の論理的思考力が高まります。
自己管理能力
研究をスムーズに進めるためには自分の実験を自分で管理する必要があります。実験の隙間時間に別の実験を組み込んだり、授業と実験の予定が重ならないように管理しなければなりません。また、自分のスケジュールや体調を管理してストレスがかかりすぎてないかどうかも気にかける必要があります。
社会でも仕事を進める上で仕事を抱えすぎないことが重要です。与えられた仕事をすべて引き受けてパンクするよりも他の人に任せた方が効率よく仕事が進むことがあります。
私の失敗
私は自分のスケジュールを管理することが苦手で授業が始まる寸前に実験をスタートしてしまい、その後授業ということを思い出してその実験が失敗してしまった、という経験が何度もあります。
そのおかげでスケジュールをExcelにまとめる癖がついたり、その実験にどれだけの時間かかるか把握するようになりました。こうした自分なりのスケジュール管理方法を持っていると社会に出ても役立ちます。
目配り気配り
自分の研究は自分で進めていくのですが、多くの人と場所や機器を共有しています。その中で互いに目配り気配りすることが重要になります。
例えば、試薬を使い切った人が新しく調整する、というルールだったとしても毎回同じ人が調整していてはストレスになります。その場合、その人の研究が進まなくなったり、試薬の調整でミスをして他の人の実験が失敗する原因になります。そのため、試薬の調整を変わってあげたり、他の雑用も変わってあげると言った目配り気配りが必要になります。
こうした能力は成果として現れにくいため、全く目配り気配りしない人が出てきます。しかし、こうした人ばかりでは研究室の雰囲気が悪くなり結果も出なくなります。
会社でも同じようなことが当てはまります。互いに目配り気配りすることで職場の雰囲気が良くなり成果が出せるようになります。
目配り気配りはすぐに自分の利益になりませんが巡り巡って自分に跳ね返ってくるの学生のうちに身につけておきましょう。
社会人スキルは企業でも身につく?
研究で社会人スキルを身につけると成長できる、という話を紹介してきました。しかし、こうした社会人スキルは企業で働いても身につくのでは?と思ったかもしれません。
確かに社会に出た方が身につきます。
お金をもらいながら研究した方が責任感があるので適当なことをしなくなります。その結果、上記のようなスキルが自然と身につく、と言ったロジックです。
そのため、企業で研究してきた今の私ならもっと効率よく結果を残せるだろうな、と感じています。まぁ学生で勉強して即戦力になる社会人として就職するというのが一般的なので仕方のないことではありますが、、、。
効率だけでいうのなら学部生ですぐに研究職に就職して、そこで育てれば社会人スキルと一緒に仕事に必要な専門知識も学べるので早く成長できます。
修士卒の人はこのタイプの人に勝つことを意識しましょう。学生だからと言って甘えていては成長できません。授業料を払っていてもお金をもらって研究させてもらっているぐらいの気持ちで研究しましょう。そうすれば社会人スキルも自然と身につくはずです。
専門的な知識は役に立たないかもしれませんが、研究を進めていくノウハウはどの企業で研究することになっても役立つと思います。また、自分の研究が活かせる企業について学んで研究内容をその企業寄りにシフトさせて行ってもいいでしょう。
こうした対策をすればより自分を成長させることができ、就職活動も有利に進めることができます。
まとめ
今回は自分を成長させるための研究の進め方について紹介しました。
紹介したような能力を身につけるためにも自分に合った研究室に入る必要があります。学生を技術員のように使う研究室では成長でいないのでそういった研究室に入らないように注意しましょう。