【悲報】バイオサイエンスを学ぶと苦労する話

【悲報】バイオサイエンスを学ぶと苦労する話
この記事はこんな悩みを解決します
  • バイオサイエンスってどんな学問
  • バイオサイエンスを専攻するとどんな苦労があるのか知りたい
  • 将来の進路に迷っている

バイオサイエンスという分野は薬学、医学、農学が合わさったような学問です。近年、人気の学問で多くの大学でこの分野の学部が作られるようになりました。各分野を少しずつ学ぶので就職先が多いような気がしますが各分野を専門に勉強している人には勝てなくなります。

私も大学でバイオサイエンスを学んできました。その経験を踏まえてバイオサイエンスを勉強してきた人の現状を紹介します。また、バイオサイエンスだけでなく他の分野を勉強しようと思っている人にも参考になる記事だと思うので読んで見てください。

【悲報】バイオサイエンスを学ぶと苦労する話

バイオサイエンスという学問は高校で生物学が好きだけど将来どんな仕事をしたいか決まっていない、という方に人気の学問です。私も大学を受験するときに将来どんな仕事に着きたいから、ということが決められずとりあえずバイオサイエンスを選びました。しかし、そのせいで多くの苦労をしてきました。

バイオサイエンスで苦労する原因
  • 応募者が多い
  • 就職先は医学や薬学出身者と被る
  • ブラックな会社もある

応募者が多い

私が大学受験をするときにはバイオサイエンスという分野が人気でした。とある大学では予想以上に学生が集まったため薬学部に移動させるという措置が取られるほどでした。

そのため、偏差値の高くない大学でも予想以上に競争率が高まり大学受験に苦労することになりました。さらに、大学受験で競争率が高かったので就職や大学院に進学するときにも競争率が高くなりました。

社会人でも自分のやりたい事を見つけるのは難しいのに高校生が将来の仕事を決めるのはとても難しい事です。そのため、バイオサイエンスが人気になったのも当然のことのように思います。

当時の私は自分の能力を過信し、どうせみんな大学に入ったら勉強しないのだから競争率が高くても勝てるだろう、と考えていました。しかし、その見込みは甘くその後も苦労することになりました。

就職先は医学や薬学出身者と被る

バイオサイエンスを学んだ人と言っても多くの人は全く関係のない業界に就職します。学んだ学問を活かせる企業に就職する人は3割程度しかいません。修士まで進めば学んだことと関連のある企業に就職する人が多くなりますが、それでも6割程度です。博士まで行けばもっと多くなります。

私は学生の頃に勉強してきた方なので学んだ事を活かして仕事をしたいと思っていました。それが親への恩返しになる、とも思っていました。

しかし、バイオサイエンスを学んだ人が就職するときに勝負する相手は医学や薬学、農学を学んできた人たちです。なぜなら、医学系の市場が大きく多くの人は再生医療や製薬関連の企業に就職することになるからです。

山中先生がiPS細胞を発見して市場が拡大したこともあり、私はiPS細胞を扱う職場に就職しました。そこで感じたのは医学部出身とバイオサイエンス出身で扱いが違うということです。医学部出身は研究者バイオサイエンス出身は技術者、という感じです。

研究者は自分で論文を読んで新たな発見のために研究する人で技術者は研究のための実験を正確に行うことが求められ、考察は期待されていないという感じです。

私は研究者として認められたかったのですが、不満は少なかったように思います。そこは上司が素晴らしい人で納得のいく仕事の割り振りをしていたからだと感じています。この職場では学生の頃とは違い仕事として研究に携わるということがどういうことなのか学ばせてもらいました。研究職に就くと学生の時の延長のような研究ができると思うと大間違いです。歯車のように実験に関わりそれぞれが自分の役割を果たすことで効率よく研究が進んでいきました。

ブラックな会社もある

ただ、私は健康上の都合で実家に戻って仕事をしなくてはならなくなりました。そこはブラックな会社で理不尽な思いをたくさんしました。

再生医療に取り組んでいるということもあり、社内の体制が最悪でもお金を集めることが出来てしまいます。そのため、効率的に研究が進んでいなかったり、データを捻じ曲げて解釈するということが頻繁に起こっていました。

再生医療はこれから市場が伸びていくとされているので人もお金も集めやすく、社内体制が悪くても会社を維持できている場合があります。

研究だから当然、仕事も論理的に進められると思ったら大間違いでした。理論的に間違った実験や根拠のない上司の思いつきの実験を行わなければなりませんでした。

進路を決めるときに考えて欲しいこと

私がバイオサイエンスを学びどんな経験をしてきたのか紹介しました。こうした私の体験を読んで進路をこれから決めて行くという人には下記のことを考えてもらいたいと思います。

この記事はこんな悩みを解決します
  • 自分の能力を客観的に判断できているか?
  • 博士まで行く覚悟
  • 将来の働き方

自分の能力を客観的に判断できているか?

自分の能力を客観的に判断しましょう。大学受験をする時の私は努力すれば何でもできると思っていました。バイオサイエンスで幅広く学びつつ医学部や薬学部の人にも負けない知識が身につけられると思っていました。しかし、当たり前ですがいくら自分が頑張っても医学や薬学を専門に学んできた人には敵いません。自分で専門書を読んで勉強しても限界があります。また、周りも私の学部を見て私の能力を判断します。

世の中の流れを感じることも大切です。自分が発酵の研究がしたいと言っても世の中が再生医療に注目していたら自分の就職先も再生医療になる可能性が高くなります。本当に発酵の研究がしたいのであれば農学部で発酵の研究をしている研究室に入らなければなりません。その代わり潰しが効かなくなります。こうした世の中の流れを意識して自分の能力を客観的に判断できると少ない努力で最大の利益が出せるようになります。

博士まで行く覚悟

自分が専門に学んできたことを活かしたいなら博士まで行く覚悟を持ちましょう。博士まで行けば企業でも研究者として高い評価が得られます。企業でなくても研究室に残りポスドクとして研究を行うことも出来ます。

しかし、その分時間とお金がかかります。私は友人が大学を卒業して自分でお金を稼いでいるのを見て自分も早くお金を稼ぎたいと思ってしまいました。しかし、博士まで行った後の人生を考えると修士も博士もわずかな差です。最短で2年しか変わらないのにその後の人生に大きく影響してきます。そのため、もし自分の勉強してきたことを活かしたいと思っているなら博士まで行く覚悟を持つようにしましょう。

将来の働き方

勉強したことを活かしたいなら博士まで行こうという話をしましたが、そもそもどう行った働き方をしたいかを考えなければなりません。

自分でアイディアを出して主体的に仕事がしたいなら研究をお勧めします。しかし、新しいことを考えるのは苦手で上司からの指示をみんなで協力しながら行いたい、仕事は仕事だから指示されたことをします、という場合は研究でなくても良いでしょう。

とにかく、自分が将来どんな仕事がしたくてそのために大学に行くことにした、という目的意識を持つようにしましょう。もちろん、目的がぶれることもあります。それはその時に修正すれば大丈夫です。とにかく、後付けでもいいので目的を持って1日1日を生活するようにしましょう。

まとめ

今回は私がバイオサイエンスを専攻して苦労した話を紹介しました。

私の能力が低いためにこうした苦労をした可能性もありますが、読者のほとんどが私と同じ普通の人だと思います。自分が優れた人間であると考えず、自分を普通の人、もしくは普通よりも少し下の人間だと思うことで冷静に判断できます。

私は自分の「やりたい」が勝ってしまい、正確な判断が出来てなかったように思います。自分の能力を過信せず、能力の高さはプラスαであったらラッキーぐらいに考えると良い結果になると思います。

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