【会社員のメリット】フリーランス、個人事業主になる前に読むべき記事

【会社員のメリット】フリーランス、個人事業主になる前に読むべき記事
この記事の対象者
  • 会社員のメリットが知りたい
  • 今の会社で働いていていいのか不安
  • 独立して働きたい

フリーランスや個人事業主として働きたい、と思っている人も多いと思います。インフルエンサーが個人で稼ぐのを見ているとカッコよくて憧れてしまいますよね。しかし、だからと言ってすぐにフリーランスや個人事業主になるのはお勧めしません。会社員がどれだけ恵まれているのか知った上でフリーランスや個人事業主を目指しましょう。

この記事を読むことで自分に適した働き方が分かります。

【会社員のメリット】フリーランス、個人事業主になる前に読むべき記事

ネットでは「好きなことをしていれば食べていける」と言うことを聞きます。好きなことをして生きていける、と聞くと憧れてしましますよね。私も昔は好きなことで生きて行きたいと思いサッカー選手を目指していました。

しかし、現実はそんなに甘くありません。好きなことで食べていけるかもしれませんが、有名選手にならなければお金に余裕のない暮らしになってしまいます。

それよりかは、100%ではないにしてもそこそこ好きな仕事をしながらお金に余裕のある暮らしがしたい、という人が多いと思います。そして、この願いを叶えてくれるのが会社員です。なぜなら、会社員には様々なメリットがあるからです。

会社員のメリット
  • 社会保険
  • 福利厚生
  • ノウハウが学べる
  • 安定した収入を確保できる

社会保険

社会保険とは国民の生活を守ることを目的とした公的な保証制度のことです。
社会保険には下記の5つがあります。

  1. 医療保険
  2. 年金保険
  3. 介護保険
  4. 雇用保険
  5. 労災保険

会社員はこれらの保険から様々なメリットが受けられます。

医療保険

医療保険には下記の2種類があります。

  • 健康保険(協会けんぽや組合健保など)
  • 国民健康保険

会社員は健康保険に加入することになります。
金額は月収に基づいて決まりますが、必要な保険料の半分は会社が支払ってくれます。また、会社は医療保険だけではなく介護保険や厚生年金保険に関しても50%支払ってくれます。一方でフリーランスや個人事業主は国民健康保険に加入し全額自分で支払わなければなりません。これだけでも大きなメリットですね。

健康保険には扶養がある

健康保険の一番のメリットに扶養が適用される、と言うことです。扶養が適用されることで家族を養っている場合はその家族の保険料を支払わなくて済みます(ただし、年収が130万円以上あると扶養に入れません)。国民健康保険の場合は扶養が適用されないのでそれぞれの保険料を支払わなければなりません。

金額はどれぐらい違うの?と言う疑問が出てくるかと思います。しかし、都道府県や所得によって変わるので一概には言えません。ただ、目安となる例があるとわかりやすいと思うので出しておきます。

年収300万円の場合

  • 協会けんぽの場合は会社と折半ですので年間12.5万円
  • 国民健康保険の場合は年間22万円程度

さらに、扶養などを考慮するとより国民健康保険は保険料が上がって行きます。

健康保険には傷病手当金もある

傷病手当とは病気やケガによって働くことができなくなった際に支払われるものです。支給額は標準月額のおよそ3分の2で交通費や残業代なども含まれます。働いていたと仮定して得られていたであろう月収の3分の2と言うことですね。支給される期間としても最長で1年6か月なので嬉しい手当ですね。

年金保険

年金は3階層に別れています。

年金の3階層
  • 国民年金(全員が加入すなければならない1階層)
  • 厚生年金(会社員が加入する2階層)
  • 厚生年金基金や確定拠出年金など(老後豊かに暮らしたい人のための3階層)

国民年金は、20歳以上60歳未満の国民全員に加入義務があります。保険料は定額で、2019年度の納付金額は月額16,410円でした。

会社員の場合は国民年金に加え、厚生年金にも加入することになります。先ほども少し触れた様に会社員の場合は厚生年金の半分を会社に支払ってもらえます。そのため、月額の平均報酬が30万円の人の場合は30万円(月額報酬)×18.3%(保険料率)×50%(自己負担割合)という計算になり、毎月2.75万円支払わなくてはならなくなります。

厚生年金による受給額の違い

20歳から60歳まで全ての保険料を納付していた国民年金の加入者は、2019年度は月額約6.5万円を満額として受給することができます。厚生年金に40年間加入して、その期間の平均収入(月額換算した賞与含む)が月42.8万円の場合、2019年度の受給合計金額は約15.6万円になります。

一方でフリーランスや個人事業主は自分で厚生年金がないため国民年金基金などに自分で加入することになります。ただ、国民年金や国民年金基金の金額が全額所得控除になる、と言うメリットもあります。

年金にも扶養がある

医療保険と同じ様に会社員の国民年金にも扶養が適用されます。年収130万円以下の家族を養っている場合は国民年金の第3号被保険者と見なされるので支払う必要が無くなります(ちなみに、個人事業主の人が第1号被保険者、会社に勤めている人が第2号被保険者と見なされます)。ただし、厚生年金分の金額は二人で納めたと見なされるので二人分受給できると言う訳ではありません。

介護保険

介護保険に関しては会社員によるメリットはありません。フリーランスや個人事業主と同じ様に料金を支払わなければなりません。

介護保険とは、高齢者・老化で介護が必要な人に対する保険で、40歳以上の人に加入が義務付けられています。介護保険の加入者には第1号被保険者(65歳以上の方)と第2号被保険者(40歳から64歳までの方)の分類があります。

第1号被保険者は訪問介護やデイサービスなどの利用サービスを受けられます。
第2号保険者は、40歳~64歳までにまでに16種類の特定疾患に罹患し、介護が必要と認定されたケースは介護保険サービスを受けることが出来ます。

介護保険施行当初は全員1割負担でしたが、現在は所得に応じて1割~3割負担となっています。

雇用保険

雇用保険とは、失業したときの基本手当や教育訓練給付など、一時的に働くことができなかったり、仕事が見つからなかったりしたときのための保険です。再度働くための、一時的な休業のために生活を保障するという性質を持っています。

フリーランスや個人事業主は雇用保険に加入できません。

雇用保険に加入する条件
  • 所定労働時間(休憩時間を除く労働時間)が1週間で20時間以上
  • 雇用見込みが31日以上ある

1日当たり、過去180日間に受け取った金額の平均の45%〜80%が支給されます。給付の期間は自己都合か会社都合かで変わります。
自己都合の場合は保険に加入していた期間によっても変わりますが、90日から150日です。
会社都合の場合は保険に加入していた期間に加え年齢も考慮され、最大で330日になります。

保険料は給料や賞与か0.3〜0.4%控除されます。月収20万円の人で600円から800円の控除ということですね。これだけの負担で失業しても安定した収入があると言うのは助かりますよね。

労災保険

労災保険とは、仕事中や通勤中のケガ・病気・死亡等に対して保障してくれる保険です。仕事中に階段で転んでケガを負った場合には、健康保険ではなく労災保険の対象ということになります。休憩中のプライベートな行動による怪我などは対象にならないので注意しましょう。

フリーランスや個人事業主は基本的に労災保険に加入できません。ただ、個人事業主の業務の内容や災害の発生状況を考慮して労災保険を適用すべきとされる場合は、労災保険の「特別加入制度」が使えます。例えばタクシーの運転手などが当てはまります。

労災保険は全額会社負担になるので、保険料を支払わずに安心して働くことができます。

福利厚生

会社によって差はありますが、企業からの福利厚生を利用できるのも大きなメリットです。例えば、下記の様な福利厚生があります。

  • 家賃補助・社宅
  • 健康診断
  • 資格取得の補助
  • 食堂
  • レジャー施設等の利用
  • 通勤手当
  • 企業年金

特に家賃補助・社宅や通勤手当は毎月かかってくる費用なので助かります。1万円の補助があれば年に12万円の収入が増えたのと同じになります。こうした賃金に反映されないサービスを受け取れると家計が助かりますよね。

また、福利厚生とは違いますが、会社員の場合は確定申告をしなくて済みます。フリーランスや個人事業主の人は何にどれだけお金を使ったのか毎年提出しなければなりません。これは結構大変な作業の様です。一方で会社員の場合は税金周りの手続きは会社がまとめて行ってくれるので何もする必要がありません。

ノウハウが学べる

会社からノウハウが学べるのも大きなメリットです。

将来的にフリーランスや個人事業主として働きたいと思っている人は、自分がしようと思っている事業に近い会社に入社すると良いでしょう。ノウハウだけでなく、ネットには出ていない様な業界の情報を知ることが出来ますし、人脈も作っておくことが出来ます。

1から始めるよりも一旦就職してノウハウを学んでおくことで、さらにブラッシュアップしてより良いサービスを作ることが出来ます。特に、人脈を作っておくと情報が入りやすくなったり、困った時に助けてもらえる可能性が高まるのでお勧めします。

安定した収入が確保できる

安定した収入が得られるというのは忘れてはならない会社員のメリットです。

フリーランスや個人事業主の場合は一月の収入が何10万円も増えることがありますが、翌月には元に戻る、もしくは元の収入以下になってしまう、ことがあります。一方で会社員の場合は毎月決まった給料が受け取れます。そのため、社会的信用が高く、ローンやクレジットカードが作りやすくなります。

個人的にはローンを組むのはお勧めしませんが、どうしてもお金が必要になった時にもこうした手段が使えるのが会社員のメリットです。

また、会社員は1日8時間・週40時間という労働時間の上限が設けられていたり、有給休暇がある、など労働基準法で守られます。安定した収入が確保でき労働時間にも制限があるため、フリーランスや個人事業主になるための準備が行えます。

独立には副業から始めるのがオススメ

会社員のメリットについて紹介してきましたが、下記の様なデメリットもあります。

会社員のデメリット
  • ルールが厳しい
  • 会社に将来性が感じられない
  • 同僚や上司と仲が悪い
  • 本当にやりたいことが出来ない

こうしたデメリットを無くすためにフリーランスや個人事業主になりたい、という人もいるでしょう。そんな人のために会社員のメリットを最大限に活かしつつ独立するための方法を紹介します。

まずは副業から始める

独立して働くためにはまずは副業から始めましょう。フリーランスや個人事業主に憧れる気持ちはわかりますが、いきなり独立しても失敗する可能性が高いです。「お金がなくてもやりたいことをやれたら幸せ」と思うかもしれませんが、幻想です。結局はお金がないと幸せにはなれません。

また、失敗して収入が得られないと不安になり、間違った決断をしてさらに収入が減るという悪循環が起こります。副業から始めることで本業で安定した収入が確保できているので、落ち着いて事業を行うことができます。

副業にかかる税金

副業を始めた際に気をつけなければならないのが税金です。収入に対する税金として所得税と住民税があります。副業からの収入が経費を控除して20万円以下の時は所得税の申告は必要ありません。しかし、20万円以下でも住民税の申告は必要です。詳しくは住んでいる地域の役所で確認しましょう。

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスと個人事業主は個人でお金を稼ぎますが税金面では大きく異なります。

個人事業主とは税務署に開業届を提出して事業を行なっている人のことを言います。そのため、個人事業主は確定申告に青色申告書を使うことが出来ます。また、所得は事業所得として計算されるので様々な優遇措置が受けられます。
一方、フリーランスは開業届を提出していないので白色申告書を使うことになります。所得も雑所得として計算されるのであまり優遇されません。

副業をする際にはこうした税制面のことを考えてフリーランスがいいのか個人事業主がいいのか判断しましょう。具体的に青色申告書が使えることでどの様なメリットがあるのか簡単に説明していきます。

青色申告書のメリット
  • 最大65万円の控除を受け取ることが出来る
  • 様々な費用を経費にできる
  • 赤字・損失を翌年に繰り越すことが出来る
最大65万円の控除を受け取ることが出来る

2020年から青色申告書の控除額は55万円または10万円が基本となり、一定条件を満たした人は65万円の控除が受けれるようになります。

様々な費用を経費にできる

例えば、家族に支払う給料を経費にできます。確定申告の申請者と生計を一緒にしていたり1年間のうちに半年以上を事業のために費やしている、などの条件を満たせば家族の給料を経費にすることが出来ます。

また、家事関連費が使えます。家の電気代やインターネット料金、携帯電話や車のガソリン代などを経費として計上することが出来ます。

赤字・損失を翌年に繰り越すことが出来る

例えば、2019年に100万円の赤字を出していた場合、翌年に400万円の黒字が出ても赤字分の100万円を控除して300万円で申請が可能です。さらに前年から青色申告を行っている場合には、損失が出た年の前年の所得税の払い戻しも受け取れます。

また、貸倒引当金が使えます。取引先に対して商品を売ったのに金額を回収していないという状態にすることがあります。その場合に取引先が倒産してしまうと金額が回収できません。そのため、予備として貸倒引当金を残しておくことができます。

開業届を出すタイミング

開業届は開業日から1ヶ月以内とされています。しかし、届け出をしなくても罰則はありません。ただ、青色申告控除や融資を受けるのが難しくなるというデメリットがあります。

副業をする際には税金面を考慮して開業届を申請しましょう。会社員でも個人事業主として収入を得ることが出来ます。ただ、収入がないのに開業届をしても青色申告書のメリットがありません。副業からの収入が100万円を超えたぐらいを目安に届け出を出すと良いでしょう。

ちなみに、確定申告は毎年2月16日〜3月15日の間に行わなければなりません。開業届は確定申告の日程も考慮して申告しましょう。

副業のデメリット

副業をすることで自分のしたいことが出来たり、能力を伸ばすことができる、というメリットがあります。しかし、知っておかないといけないことは副業によるデメリットです。私は大きな成功よりも失敗しないことが幸せに生きるための方法だと考えています。そのため、読者の人にも副業のデメリットを理解して失敗しない様にしてほしいと思っています。

副業のデメリット
  • 自由な時間が減る
  • 失業手当がもらえない
  • 会社にバレる

自由な時間が減る

副業をすると自由に使える時間が減ります。事業を始めるための経費が必要な場合には自由に使えるお金も減ります。これが1番のデメリットです。

個人事業主の人は青色申告により上記の様なメリットを受け取れますが、その分手続きも煩雑になるので時間を取られます。ただ、こうした作業を効率化するためのソフトも出ているのでお金に余裕のある人は使ってみると良いでしょう。

また、事業で収入が増えたとしても税金も増えていきます。累進課税といって所得の多い人ほど税金も増えていきます。そのため、寝る間を惜しんで頑張ったけどあまり裕福な暮らしができない、ということもあります。

こうしたデメリットも考えると競争しなくても良い市場に参入することをおすすめします。

失業手当がもらえない

副業による収入があると失業保険がもらえません。失業保険は雇用保険に入っていた全ての人が受給できるものではなく、積極的に再就職を目指し活動している人に支給されます。再就職の意思のない人や、ケガや病気などで働ける状態にない人には支給されません。副業をしている場合は生活するお金を稼いでいると見なされ、お金が受け取れません。

副業をした日や時間、収入は必ず申告しなければなりません。働いたことを隠したまま受給するのは不正受給にあたり、失業保険の支給が停止されるだけでなく、不正に受給した金額の返還だけでなく、受給した額の2倍の金額の納付命令が出されることもあります。

会社にバレる

副業の収入が増加すると住民税が増加するため会社にバレます。もし、副業を禁止している会社の場合は最悪の場合、解雇されてしまいます。
もちろん、副業の収入を申告していない場合は税務署からの申告漏れを指摘されて延滞税や過少申告加算税の対象となる可能性があります。

副業は会社か国に見つかるということですね。副業をする場合は事前に会社に相談をして許可をもらう様にしましょう。

まとめ

今回は会社員のメリットと独立するためには副業から始めるのがおすすめ、という話を紹介しました。

独立して稼いでいる人はカッコ良く見えますが、その人たちのいうことを盲信しない様に注意しましょう。SNSなどの発信を真に受けて行動しても責任は自分にあります。発信者は好き勝手なことをいうだけで保証してくれません。

成功した人のほとんどは運がよかっただけです。成功した数%の発信だけが拡散されるので多くの人が成功している様に錯覚してしまいます。独立するにしても本当に情熱を掲げられる場合以外は今回紹介した様な副業から始める方法をおすすめします。

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