チームのコミュニケーションを促す方法。チームの感情的知性とは?
- チーム内でのコミュニケーションにどんな効果があるの?
- どうすればチームのコミュニケーションを促すことができるの?
- チームの感情的知性って何?
チームで成果を上げるためにはコミニケーションが重要ということが知られています。チーム内で気軽にコミュニケーションが取れることにより励ましやサポートを得られやすくなり、問題を解決しやすくなります。
この記事を読むことでどのようにチームのコミニケーションを促せばいいのか分かります。
チームのコミュニケーションを促す方法。チームの感情的知性とは?
感情的知性とは自分や相手の感情の変化に気づき、良い方向へコントロールすることを言います。
チームの感情的知性とはチーム全体で協力すれば成果が出ると認識することを言います。
個人が感情的にならず、チームのために何ができるか冷静に考える、ということですね。
チームの感情的知性を高めることを嫌な気持ちや不安な気持ちを抑制することと捉えがちですが、そうではありません。
ネガティブな感情であっても意図的に表に出したり、感情を出した時の他のメンバーの気持ちを考慮できることを言います。
そのため、ネガティブな感情であっても他のメンバーに嫌な思いをさせないように表現し、チームの問題を明らかにすることができます。
こうした感情的知性が高いチームを作ることでネガティブなコミニケーションが減り、チーム内でのポジティブなコミュニケーションが増えます。
チームの感情的知性を高める方法
チームの感情的知性を高めるためにはチームを仕事に集中させるための風土を作らなければなりません。
もちろん、個人で感情的知性を鍛える事も大切ですがチームで感情的知性を鍛える場合はやはり風土が重要になります。
そのために下記のような行動規範が生まれる場所に注力しましょう。
- 公式のチームリーダー…会社から任命されたリーダーの振る舞いや業務プロセスの構築の際に風土が作られます
- 非公式ながら実質的なチームリーダー…公式のリーダーよりも長年チームで働いているメンバーなどが実質的にチームを率いているとその人の振る舞いや考え方から風土が作られます
- 勇気のあるメンバー…解雇されることも恐れず、問題を直視して顧客のために働けるメンバーにより風土が作られます
- トレーニング…会社でのトレーニングや研修で風土が作られます
- 企業文化と組織風土…会社のビジョンや組織体制から風土が作られます
このような場所で感情的知性を高める風土に必要なサポートも分かっています。
- 感情にまつわる問題に対処するための経営資源を確保する;卓球台や瞑想ルームなどのストレスを発散させる場所を提供する。
- 肯定的な感情を醸成する;難題に突き当たったとしても自分たちは必ず達成できるという雰囲気を作る。
- 能動的な問題解決を奨励する;業務の障害になっているものを取り除き能動的に問題解決できるようにする。
行動規範を生む場所でしっかりとしたサポートがあることで下記のような効果が得られます。
- メンバー間の信頼感を築く
- 各メンバーの帰属意識
- チームの強みへの理解
- チームが仕事に集中する
例えば怠けているメンバーに「何サボってるの!」と怒るだけではただ自分の不満をぶつけただけで相手を理解しようとしていません。「何サボってるの!」の後に「あなたがいないと終わらないんだから。」と言うことで「仕事を終わらせるためにはあなたが必要」というメッセージを送ることができます。これによりただ相手と対峙しただけでなく自分達の仕事を終わらせようという相互理解を促しています。
こうした風土によりメンバー間の信頼関係が生まれグループへの帰属意識が高まります。
その結果、チームの感情的知性が高まり成果を出しやすくなります。
チームの感情的知性のチェック項目
さらにチームの感情的知性が良好か調べるためのチェック項目を紹介しておきます。
- 相互理解…メンバー同士の相互理解が進んでいるか?
- 感情的状況…チームメンバーの間で不満や諦めなどの感情が蔓延していないか?
- 強みと弱み…チームにどんなノウハウがあり、チームとしてどんな仕事が得意か?または、どんな仕事が苦手か?
- 様々な対人関係…チームメンバー間の対人関係がうまくいっているか、輪の中に入れていない人がいないか?
- 業務プロセスの認識…業務を遂行するための役割分担が明確化されているか?
- 外部の個人や組織との関係…仕事を進めるために必要な外部の情報が的確に共有されているか?
このようなチェック項目で良い点が出るとチームとしての感情的知性が良好でコミニケーションが促進される環境と言えます。
チームの感情的知性を高める効果
チームが最大限の能力を発揮するためにはコミュニケーションが重要と言うことが分かっています。
ただ、マサチューセッツ工科大学の研究ではコミュニケーションの中身は重要ではなく、大事なのはコミュニケーションのあり方ということも分かっています。
公式的な会議だけではなく昼休憩や飲み会の場で気軽にコミュニケーションを取れることでチームのパフォーマンスが高まるとうことが知られています。
コミュニケーションを促すことでチームに良い影響があると言う報告があるのでいくつか紹介しておきます。
コミュニケーションを促進するとアイディアが実現する
ワシントン大学で行われた研究ではチーム内のコミニケーションが活発なことで創造的なアイディアが実現されやすくなることが分かっています(R)。
創造的なアイディアはチームや会社の問題を解決したり、日々の業務を効率的に行うために必要とされています。
そうしたアイディアは誰もが持っているのですが、なかなか実現されません。
- 社会政治的プロセスをうまく行わなければならない
- 創造性の高いアイディアほど不確実性が高い
- 失敗した時には損失を過大評価してしまう
ワシントン大学の研究チームはこうした課題を乗り切るために努力の量や社会的な繋がり(同僚や上司とのコミュニケーション)が重要だと考え、アイディアの実効性とどう関わっているのか調査しました。
その結果、同僚や上司とのコミュニケーションが高い方が創造的なアイディアが実行されやすいことがわかりました。
ちなみに、カルフォルニア大学で行われた研究ではコミニケーションが取りやすいことで従業員の感情がポジティブになり努力を続けられるようになるという報告もされています(R)。
このようにコミュニケーションが取りやすい環境を整備しておくことでアイディアが実現されやすくなりチームのパフォーマンスが高まります。
コミニケーションを促進することで問題にすぐに対応できる
ニューヨーク大学で行われた研究ではコミニケーションが取りにくい職場だと部下がネガティブな報告をしなくなり、問題が表面化するまで対処できなくなると指摘しています(R)。
実際に報告できなかったと言う従業員にその理由を尋ねました。
- 同僚や上司の能力の問題 37.5%
- 仕事を進めていく手順の問題 35%
- 会社の方針や決定についての問題 22.5%
- 個人的なキャリアについて 20%
- 倫理観や平等性の問題について 20%
- ハラスメント 17.5%
- 同僚との衝突 15%
さらに、問題を報告できない感情的な理由も質問しています。
- トラブルメーカーのレッテルを張られるから、が30%
- 上司や同僚との信頼関係を壊したくない、が25%
- 罰や減給を受けたくないから、が22.5%
- 他の人を困らせたくない、が20%
この結果をざっくりまとめると上司の能力に問題があった時や仕事の手順に問題があった時には
・トラブルメーカーのレッテルを張られたくない
・上司との信頼関係を壊したくない
という気持ちが生じて報告できない様です。
また、問題を報告しないと判断する際には過去の経験や同僚たちの情報をもとに報告したときに起きることを予想するようです。
過去に問題を報告した従業員が左遷されたり減給されたりしていると他の従業員も報告しなくなる、ということですね。
ちなみに、中央集権的だったり上司と部下の関係が厳しいとネガティブなことを報告したがらないという現象が起こります。これをMum effectと言うようです(R)。
これらの結果から、普段から安心して報告できるような環境整備が必要と考察されています。
今回紹介した組織風土を改善する方法が役立ちそうですね
まとめ
今回はチームのコミュニケーションが業績を高めることやどうしたらコミュニケーションが促進されるのかを紹介しました。
チームのメンバーと何でも話せる関係だと安心感が出ますし、チームのために仕事を頑張ろうと思えますよね。
そのため、相手に不快感を与えないようなチームの風土が重要になります。
こうした風土の構築には管理職の役割が重要になります。
しかし、多くの管理職は管理職としての能力が足りていないと指摘されています。
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