スマホで集中力が低下する話
仕事中に集中できていますか?
➡︎集中できない原因はスマホかもしれません。
今回の記事ではスマホによりどんな悪影響があるのか、スマホとどう付き合っていけばよいか調査した論文を紹介します。
スマホで生産性が低下する話
この記事は2015年にYung-Ju Changによって発表された論文に基づいています。
スマホにどんな悪影響があるのか?
➡︎スマホのメールやアラームによりストレスが生じ、不安になることが報告がされています。
スマホにより便利になった反面、どんな欠点があるのか調査が行われています。
多動性障害とは?
➡︎今回の論文で明らかになったスマホによる悪影響の1つです。
?多動性障害の症状
・年齢に見合わない様な不注意さ
・思いついたことをよく考えずに行動する衝動性
この病気になると
・記憶と現実にギャップができる
・仕事がうまく進まずストレスが溜まる
などの悪影響が出ます。
?この病気の原因の多くは神経系の発達障害で生じるのですが、ライフスタイルの変化によってもこの症状が出やすくなっていると言われています。
そのため、著者はスマホにより注意力が散漫になったり、衝動的に行動してしまうのではないかと考え調査してみることにしました。
スマホで多動性障害の症状が強まる
221人の大学生を対象に1週間アラームをオンにしたときとオフにした条件でどのように感じたかをアンケートしました。
➡︎それぞれの条件で特定の1時間を思い浮かべてもらい、どのぐらいスマホに邪魔されたと感じたか6段階で評価しています。
他にも下記のようなアンケートを行っています。
- 多動性障害の測定は不注意さについてはどのぐらいの頻度で注意が散漫になりましたか?衝動性については自分の番が来るまで待つのがどのぐらい大変でしたか?などの質問を各9項目
- 生産性については大事な仕事を行ったと思いますか?何か達成して満足しましたか?などの質問
- 幸福感については他人との関りや自主性、目標、周囲への影響力に関連する質問
結果
?スマホのアラームをONにした時
・行動が不注意になったり衝動的になっていた。
・生産性や幸福感が損なわれていた。
アラームが生産性や幸福感に直接影響するのではなく、集中力の低下や衝動性を介して間接的に影響していることも確認できました。
✔️この結果から、スマホにより多動性障害の症状が強まり、生産性や幸福感が低下することが分かりました。
まとめ
✔️今回の研究でスマホにより集中力が低下することが分かりました。
どう改善すれば良いのか?
➡︎集中したいときにはサイレントモードにして目に見えない所に置いておくと良いようです
サイレントモードは有効なのか?
スマホの悪影響を減らすため、サイレントモードにすればいいのでは?と思うかもしれません。
➡︎しかし、サイレントモードでも注意力を逸らすことが知られています。
過去の研究ではサイレントモードでも点滅してから6分以内にはスマホを確認してしまっていたそうです。
✔️このことから、スマホそのものにより邪魔されなくても自分から集中力を切らしてしまうことが考えられます。
スマホを見ないと不安になる
➡︎スマホがメールなどに全く反応しないように設定したとしても逆に心配になってスマホを確認する回数が増えた人もいるようです。
この辺は自分の性格を考えて徐々に慣らしていく必要があるかもですね。
?前頭前野が集中力を制御する
多動性障害でも前頭前野が発達していないため、不注意になったり衝動的に行動すると考えられています。そのため、前頭前野を鍛えるとスマホの悪影響も減りそうですね。
➡︎前頭前野を鍛えるためには瞑想が良いというのは過去の記事で書いていますので参考にしてください。
?スマホが無ければ生活できない世の中になっています。
ある程度集中力が乱されるのは覚悟して生活するしかなさそうですね。頻繁にスマホを確認していると癖になってしまうのでできるだけスマホを見ない様にすることが望ましいです。
緊急の連絡もありますので特定の人からの連絡にだけ反応する、という設定がおすすめです。
➡︎スマホでは連絡先→特定の人→編集→着信音→緊急時は鳴らす、で設定できます。
今回の研究の欠点
この研究の欠点は主観的な要素が強くなっているとことです。しかし、邪魔されたかどうかというのは主観的な要素が大きいため問題は少ないとしています。
一方で、客観的な観察もしないと正確性に欠けるという考察もされています。
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