創造的なアイディアが実行されない理由

創造的なアイディアが実行されない理由

創造的なアイディアが実現せず困っていませんか?
➡︎アイディアを実現するためには他人からのサポートが必要なようです。

世の中が発展するためにもアイディアは必要です。しかし、アイディアはあっても実行出来ません。今回は2012年にMARKUS BAERによって発表された論文に基づいてなぜ良いアイディアでも実行されないのか分析した研究を紹介します。

創造的なアイディアが実行されない理由

創造的なアイディアとは

➡︎創造的なアイディアは新たなサービスや商品、方法などによりイノベーションを起こします

創造性が高いほど新規性が高くやより便利になっています。iPhoneが良い例です。今までの携帯電話の概念を一気に変えてしまいました。
しかし、創造的なアイディアがあっても実際に実行されることはあまりないです。

なぜ実行されないのか?

➡︎実行するには創造力とは別のスキルが必要だからです。

この理由を研究した調査によると創造的なアイディアを実現させるためには社会政治的なプロセスをうまく行う能力が必要と考えられています→(R)。
社会政治的なプロセスをうまく行うためには
・実行のための努力
・社会的繋がり
・友人や同僚などとの繋がりの強さ

が必要です。
➡︎その理由としては下記のようなハードルがあるからです。

上司は不確実なことを嫌う

創造的なアイディアは不確実性が伴います。→(R
➡︎立場によって不確実性の感じ方が違うため、不必要な遅延をしたり、対立したり時には中断します。実際に斬新なアイディアなほど実行に移されにくいというデータもあります。

失敗した時の損失を過大評価しやすい

失敗すると信用や評判が悪くなります。→(R
➡︎次の挑戦に必要な予算やサポートが受けられなくなる可能性があります。
そのため、社会政治的な信用がなければ実行に移せません

結果を出すためには努力が必要

➡︎アイディアが斬新なほど実現が難しくなります。

今まで誰もやったことのないことをするため、努力が必要です→(R)。
過去の研究では努力するためには
・自主性
・自己効力感
・周りからのサポート
が必要と報告されています。

?努力に関する過去の報告
友人や同僚などと強いつながりがあるとポジティブになり努力が持続するとされています。そのため、実行までのハードルを乗り越えやすくなります→(R)。
➡︎想像力が低くてもモチベーションや社会的つながりがあればイノベーションを起こせるという考察もされています。
・他にも、結果を想像することで昇進や昇給などのモチベーションだけでなく仕事そのものが楽しくなり、モチベーションが上がるとされています。

著者は実行のための努力、社会的繋がり、友人や同僚などとの繋がりの強さがどのように組み合わさって実行に影響するのか調査しました。

創造的なアイディアは社会的サポートがないと実現しない

216人の従業員や管理職にアンケートを実施し、その人のアイディアと努力量、社会的つながり、繋がりの強さがアイディアの実現にどう関わっているか調査しました。

?創造力の測定
下記の質問について7段階で評価してもらいます。
・既存の製品やサービスから発展したものですか?
・現在の製品やサービスの知識から発展させたものですか?
・既存の製品やサービスにとらわれない発想か?

?努力の測定
被験者に何か新しい製品やサービスを作る時を想定して下記の質問に7段階評価で答えてもらいます。
・上司は自分と自分の仕事を褒めてくれる
・自分で評判を高めることができる
・出世してより良い仕事ができると思う
・価値のあることができると思う
・新しいことを学ぶ機会がある
・自由に仕事ができる
・自分の仕事は抵抗されたり対立されたりする
・仕事に必要なリソースを得ることができる、

?社会的つながりの測定
下記の質問に7段階評価で答えてもらいます。
・仕事上のコネクションを作るのが得意
・同僚との繋がりが強くサポートが必要な時に手伝ってくれる

?繋がりの強さの測定
アイディアを発展させてくれる同僚の名前を15人あげてもらいます。
その人に対しての親密さを5段階で自己評価してもらいます。上位2段階に入る人の数を評価します。

?実行力の測定
上司が下記の質問に対して7段階で評価します。
・部下のアイディアは承認されるか
・製品やサービス、方法に生かされるか
・市場に出たり実行されているか
部下にも最近の2から3個のアイディアを思い出してもらい
・アイディアが進んだか
・実行しようとしたか
・努力がどのぐらい成功したか
を評価してもらいました。

結果

実行のための努力か社会的繋がりのどちらかが高い場合

➡︎実行されるかどうかは創造性に関係ありませんでした。
ただ、両方が高い方が少し実行されやすい傾向がありました。

実行のための努力か社会的繋がりの両方が低い場合

創造力が高いと実行されにくくなっていました。
➡︎創造力が低い場合は他の場合と同程度に実行されます。

✔️この結果から、創造的なアイディアは努力するか社会的繋がりを持ってサポートされないと実行されないと考えられます。
➡︎同僚との繋がりの強さを社会的つながりに置き換えて計算した時にも同じような結果が出ました。

まとめ

✔️今回の研究から創造力だけでは成果を生み出せないことが分かりました。

➡︎新しいものを作ったり、新しい取り組みをするためにはとても努力するか、誰かに助けてもらわなければ実現しないようです。
努力をすれば実行される可能性が高まりますが、一人で頑張るのは辛いです。やはり、誰かと協力する方がコスパがいいと思います。

?管理職のサポートが重要
新しいことを実現するためには時間や予算、多部署との連携などのリソースが必要です。
➡︎管理職の最も大切な仕事は必要なリソースを提供して部下の進捗を管理することです。
➡︎進捗があるとインナーワークライフが高まり、さらに一生懸命働いてくれます。

悩み;アイディアが実現できません

➡︎社会的繋がりを作りましょう

今回の結果から困った時に助けてくれる人との繋がりがアイディアの実現に重要ということが分かりました。
➡︎さらに、誰かからの支えというのは感情を前向きにし努力する力を与えてくれる事もわかっています。
重要なのはアイディアが不十分だから実現しないのではないと勘違いしない事です。

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