科学的に仕事のモチベーションをあげる方法と4つのポイント

科学的に仕事のモチベーションをあげる方法と4つのポイント
この記事はこんな悩みを解決します
  • 仕事のモチベーションが上がらない
  • 仕事が楽しくない
  • 部下のモチベーションをあげたい

仕事のモチベーションが上がらない、というのはよくあることだと思います。マネジメントの研究でもどうすれば従業員のモチベーションを引き出せるのか、というテーマで研究が行われています。

この記事を読むことで仕事のモチベーションを高める方法がわかります。

科学的に仕事のモチベーションをあげる方法と4つのポイント

仕事のモチベーションをあげる方法としてゲーム化が有効とされています。ゲーム化とはテレビゲームのように与えられたタスクを行うことを言います。

イリノイ大学の研究チームは仕事をゲーム化することでモチベーションが上がり効率的に成果を出せるようになると述べています(R)。

仕事をゲームと考えることで楽しく仕事ができそうですよね。
ゲーム化は仕事の捉え方や内容を変えるジョブ・クラフティングの1つです。

仕事のゲーム化とは

RPGを思い浮かべればわかりやすいのですが、敵を倒して行くとレベルが上がりより大きな敵を倒せるようになりますよね。この「進んでる感」を仕事でも感じられるようにしたのがゲーム化です。
どうやって、「進んでる感」を出すかというと仕事の細分化です。一つずつ達成して行くことで自分の成長を感じやすくさせるようにします。また、仕事ではなくミッションと捉えることで何のための仕事か問題が明確になるという効果も出ます。

実際にゲーム化を行うことでモチベーションが上がり仕事の効率が高まったという報告があります。

ゲーム化に関する論文

ギリシャのテッサリア大学で行われた研究では学生たちの勉強をゲーム化することでモチベーションが高まり成績が向上した、という結果が出ています(RR)。

また、ミシガン州立の研究でもゲーム化の考えを取り入れることで個人とチームの目標を達成できるようになったという結果を出しています(R)。

このゲーム化はモチベーションを考える上で有効な自己決定理論とも一致することが分かっています。

ゲーム化は自己決定理論とも相関がある

自己決定理論では自分の内側から出てくる興味や関心に従って行動するとストレスなく集中してタスクに取り組めるとしています。
一方、報酬や社会的地位など自分の外からくる欲求に従って行動すると一時的に成果は出ますがストレスがたまりやすいということが知られています。
ゲームは自分の内側の欲求に従ってやりますよね。そのため、仕事のゲーム化は自分の内側の欲求を引き出し、長期的に成果を出しやすくなるとされています。

では、仕事をゲーム化するためにはどのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか?

気をつけるポイント

ゲーム化を行う上で気をつけるポイントがあります。

仕事をゲーム化するときに気をつけるポイント
  • 能力に適した仕事にする
  • 性格にあった仕事をする
  • アドバイスがすぐにもらえる
  • 公平性を保つ

能力に適した仕事にする

同じ仕事を繰り返していてもモチベーションが上がりません。単純作業ではなく、様々なスキルを使う仕事の方がモチベーションが高まることが知られています。

ノースカロライナ大学で行われた研究では半年から2年という長期で見たときに、様々な仕事をした方がパフォーマンスが高まることが分かっています(R)。

何か一つの仕事のスペシャリストになった方が生産性が高まる気がしますが、そうではないようです。仕事を一日で考えたときは特定の作業を行った方が良いのですが、長期で考えた時には仕事に変化がないとパフォーマンスが低下してしまいます。

この理由として自己効力感という「やればできる」という感覚が関係しているとされています。同じ仕事ばかりしていると成長を感じれないので自己効力感が高まらずモチベーションがあがりません。

周りを変えていける、という感覚がモチベーションを高めるようです。

ただ、仕事がうまくいかないと自己効力感が低下するので自分に自信過剰にならず適切な難易度の仕事を選ぶようにしましょう。

性格にあった仕事にする

同じ仕事をするにしても性格によってモチベーションが異なることが分かっています。

アイオワ大学で行われた研究では性格と仕事のパフォーマンスを調べるために15のメタ分析の結果を調査しました。その結果、良心の低い人は仕事に対するモチベーションが不安定になりやすいことが分かりました(R)。

どうやら両親が低いと重要でない仕事を適当に行うようになるようです。

また、ペンシルバニア大学で行われた研究では良心の低い人のモチベーションを高めるためには仕事の重要性や社会的価値を認識することが重要ということが分かっています(R)。また、良心の低い人が社会的に重要でない仕事をする場合はパフォーマンスが5分の1になることも分かっています。

さらに、この研究では個人的な利益のために仕事をするよりも他人のために仕事をする方がモチベーションが高まることが分かっています。

仕事をするときには誰のためにその仕事をするのか考えて仕事をするようにするとモチベーションが高まるようです。

アドバイスがすぐにもらえる

ゲームで前に進めなくなる原因は明確なのですが、仕事では進めなくなる原因がわからないことがあります。そのため、アドバイスしてくれる人とすぐにコミュニケーションが取れるようにしておきましょう。

ハーバード大学の研究では進捗があると従業員のモチベーションが高まることが分かっています。また、同僚や上司からの励ましや仕事を行うためのリソースが十分あるとモチベーションが高まり、成果が出し易くなることが分かっています。

自分がアドバイスをもらうだけではなくアドバイスをするときもあると思います。その時には相手を評価するのではないことに気をつけましょう。

アドバイスするときの注意点

相手を評価するのではなくアドバイスするという意識が大切です。ハーバード大学の研究ではアドバイスするという意識でいることで情報量が増え、相手の仕事が進み易くなることが分かっていますR)。
これは上司はもちろん、同僚からのアドバイスでも効果があるので互いに支え合える関係を作ることが重要です。

普段から同僚とコミュニケーションをとり支え合える関係を築いておきましょう。

公平性を保つ

ゲーム化する上で仕事の評価が公平に行われなければなりません。
簡単な仕事をした人が評価が高く、難しい仕事をしても評価が低いようではモチベーションが高まりませんよね。

また、月ごとに良い成績を残した人を表彰するなど個人のチームの貢献度を見える化するのも効果的です。

公平な評価のメリット
  • モチベーションが上がる
  • チーム内の競争が促される
  • 自分の仕事の重要さが認識できる
  • 仕事の進め方を見直すきっかけになる

普段の仕事をしているだけではこうした効果が得られません。チームのメンバーがそれぞれどんな仕事をしてチームに貢献しているかを明らかにすることで公平性が高まり、モチベーションアップに繋がります。

こうした考え方はアメリカの心理学者アイゼンバーガーの組織的サポート理論が参考になります。
組織が従業員をサポートすることで従業員は一生懸命働いて恩を返そうとする、という理論です。

まとめ

今回は仕事のモチベーションをあげる方法を紹介しました。

仕事のゲーム化は工夫次第で様々な効果が出てきます。今回紹介した内容以外にも自分で考えて修正していくことをオススメします。

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