頭がいいってどういうこと?知能の三頭理論

頭がいいってどういうこと?知能の三頭理論

学校での成績が低いから自分は頭が悪いんだ、と思っていませんか?

成績だけでは知能は測定できません。

知能とはなんなのかRobert J. Sternbergが研究を行い、知能の三頭理論というものを構築しています。今回はそうした知能についての論文を紹介します。

頭がいいってどういうこと?知能の三頭理論

この記事は2018年にRobert J. Sternbergによって発表された論文に基づいています。

知能の三頭理論とはスタンバーグによって提唱された理論です。
スタンバーグは知能を現実世界での選択や活動に適応するための心理的活動と定義しています。

知能の三頭理論とは?

➡︎知能には3種類の知能があるという理論です。

勉強ができるというだけでは知能が高いとは言えません。勉強ができても仕事ができないようなタイプもいます。そのような人は知能が高いと言えるのでしょうか?

?3種類の知能
・分析的知能
・創造的知能
・実戦的知能

スタンバーグは日常生活においてそれぞれの知能が独立して働いているのではなく、複雑に絡み合って機能しているとしています。
では、それぞれがどんな知能なのか見ていきましょう。

分析的知能とは

➡︎いわゆる学問によって高められる知能のことです。
学校ではこのタイプの知能しか測定できていません。

このタイプの知能が高いと問題を分解し、新たな解決策を見つけ出します。しかし、このタイプの才能だけでは創造性の高いアイディアは生まれません。

創造的知能とは

➡︎知的な柔軟性やイノベーションを生み出す知能のことです。
このタイプの知能が高いとIQの値も高くなることが知られています。

主にどのようにタスクを処理するかを決定する時に役立ちます。タスクの処理方法には新規のものと自動化されたものがあります。

?新規のものに対処する場合
前例がないため、新しい状況に対応し問題解決の方法を見つけなければなりません。他の人が思いつかなかったような解決策であれば創造性知性が高いです。

?自動化されたものに対処する場合
前例があるため、あまり考えなくてもタスクを処理できます。一度自動化されれば複数のことを同時に行えます。

実戦的知能とは

➡︎自分を周りの環境に適応させる知能ことです。
このタイプの知能が高いと柔軟な対応ができるためストレスが少なくなります。

自分の置かれた状況に対し、創造的知能や分析的知能をどのように使うべきか的確に判断します。海外の文化に適応するときや初めて会った人と良い関係を築くのにこの知性が使われます。

情報処理の構成要素

各知能が使われる場面は異なっていますが、情報処理プロセスは同じ過程を経ているとされています。

?情報処理プロセスは3つの構成要素に分類できます。
メタコンポーネント
パフォーマンスコンポーネント
知識獲得コンポーネント

この3つの構成要素も独立している訳ではなく、それぞれが影響しあっています。

メタコンポーネントとは

➡︎感情を制御し、問題解決や決断を行うことです。
まるで、自分を自分で管理するようなプロセスを経ています。

以前の記事で紹介した感情的知性が高いとこのコンポーネントがうまく機能します。感情をうまくコントロールできなければバイアスがかかった決断をしてしまいます。

パフォーマンスコンポーネントとは

➡︎メタコンポーネントで決めたことを実際に行うことです。

自分で自分の決めたことを行動する許可を与えます。記憶の中から問題を探し出し、複数ある場合はそれらの関係性を考えて判断します。

高度な情報処理はせず、低次元の処理しか行いません。

知識獲得コンポーネントとは

➡︎新しい知識を獲得することです。
様々な情報の中から必要な情報を選び出し、それらを関係付けます。

情報処理能力の高い人はこのコンポーネントの能力が高い傾向にあります。人よりも多くの情報を取り入れ、分類しているからです。

まとめ

✔️この記事では学校の成績だけで自分の知性が高いかどうかは分からないと言うことを書きました。

?各知能についてまとめると下記のようになります
・分析的知能→問題を分析する知能
・創造的知能→新しいことを産む知能
・実戦的知能→環境に適応する知能

論理的な思考ができていても他人の気持ちを無視しているようでは実践的知能が低いと言えるでしょう。

?情報処理についてまとめると下記のようになります
・メタコンポーネント→理性的な判断
・パフォーマンスコンポーネント→最終確認
・知識獲得コンポーネント→情報を蓄える

よくあるのは新たな知識の獲得をせずにメタコンポーネントにのみ頼ってしまうことです。自分の中では理屈が通っているのですが、そもそもの知識が足りないため予期しないことに悩まされます。

こうした概念を元に自分に足りてない知能を鍛えていきましょう。

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