ダークトライアドを見抜く!HEXACO性格診断

職場でおすすめ!HEXACO性格診断

ダークトライアドを見抜く方法としてHファクターというものがあります。

Hファクターとは正直さと謙虚さを表す指標です

以前は性格を診断するためにビッグ5が使われていましたが、これにHファクターを加えるとダークトライアドが見抜けるそうです。

ダークトライアドを見抜く!HEXACO性格診断

この記事はカルガリー大学のKibeom Leeによって発表された論文に基づいています。

ダークトライアドとは

自分の利益のために人の精神を疲弊させる人のことを言います。

下記のような種類と特徴があります
サイコパス…不誠実、自己中心的、反社会性、無反省
マキャヴェリズム…表面的な魅力がある、対人関係を通じて人を操作しようとする、嘘をつく、道徳観の無視
ナルシズム…誇大性、利己主義者、高い自尊心、共感力の欠如

HEXACOとビッグ5の違い

HEXACOの6つの要素

Honesty-Humility (H);正直さ、謙虚さ
・Emotionality (E);感情
・Extraversion (X);外向性
・Agreeableness (A);同意性
・Conscientiousness (C);誠実性
・Openness to Experience (O);開放性

ビッグ5の5つの要素

・Neuroticism;感情の安定性(神経症的性格)
・Extraversion;外向性
・Agreeableness;同意性
・Conscientiousness;誠実性
・Openness to Experience;開放性

2つを比べると正直さと謙虚さだけが違う事が分かります

正直さと謙虚さが職場での長期のパフォーマンスを高める事も知られています。
一方で正直さと謙虚さが低い人はダークトライアドの可能性が非常に高いことが知られています。

ダークトライアドは短期的なパフォーマンスは高いですが、職場での人間関係をすり減らしその代わりに自分だけが出世していきます。

HEXACOの特徴

HEXACOは正直さと謙虚さを測定するのでダークトライアドを見抜くことができます。

ビッグ5ではダークトライアドを完全に把握する事ができません。
ビッグ5の開放性や誠実さが負の相関があると知られていますが、ダークトライアドの可能性が高いだけで断定できません。

一方、正直さと謙虚さの指標はダークトライアドとほぼ完全な負の相関があるとされています。

ダークトライアドを最初に提唱したPaulhusとWilliamsはサイコパス、ナルシズム、マキャヴェリズムに共通した核があるはずだと述べていました。

その核が正直さと謙虚さなのかも知れません。

正直さと謙虚さは4つのサブスケールがある

ダークトライアドを見抜く正直さと謙虚さですが4つのサブスケールが知られています。

  • 誠実さ…自分の期待する目標を達成するために人を操ったり嘘をついたりしない
  • 公平さ…物事を前進させるために嘘をついたり、盗みとったりしない
  • 欲からの回避…富や地位、高額なものを欲しがったりしない
  • 慎ましさ…他人の尊厳を軽視したり、自分の方が優れていると思わない

サブスケールから正直さと謙虚さ高い、ということは欲が少ないことや他人の尊厳を軽視しないことも含んでいることがわかります。

この数値が低いということはダークトライアドの可能性が非常に高いということになります。

この検査から職場での
・非行
・リスクを取る行動
・復讐
・創造性
などの予測が出来ます。

ダークトライアドは正直さと謙虚さのサブスケールで測定できるのか?

メタ分析の結果からダークトライアドと正直さと謙虚さのサブスケールでの相関では不十分ということが分かっています。

ただ、サブスケールではなく正直さと謙虚さ全体で見た方が相関が高く、ほぼ完璧な負の相関を示します。

正直さと謙虚さと相関がある他の指標

正直さと謙虚さは社会的支配志向とも負の相関があります。

社会的支配志向とは社会を支配したいという要求のことです。詳しくはこちらで確認してください。
保守的な政治観を持つ人は社会的支配志向が強い傾向があります。

HEXACOと政治的関心が高い人は社会的支配志向が低いことが知られています。

他にも
・正直さと謙虚さの高い人はリスクを避ける傾向がある
・正直さと謙虚さの高い人は職場で不正を働きにくい傾向があり、職場での一体感を高める役割を担います。
・正直さと謙虚さの高い人は誠実さをコントロールし長期的に大きなパフォーマンスを発揮します。

などが知られています。

ダークトライアドの対策

普段の生活ではHEXACOを受けてもらうことが出来ないため、ダークトライアドを振る舞いから見抜かなければなりません。

さらに、見抜いたとしてもどの様に対応すればいいのでしょうか?

上記で紹介した様に職場でリスクの高い仕事を好み、上司には嘘の報告をして不正を働く人がいるかもしれません。
そう言った人は正直さと謙虚さが低い可能性が高いのでダークトライアドの可能性も高いです。

こうしたダークトライアドの効果的な対策法は分かっていないため、なるべくか関わらない様にした方がいいでしょう。

しかし、関わりたくないけどどうしても関わらないといけないという場合はダークトライアドの守備に弱いという特徴を攻めていく様にしましょう。

ダークトライアドの弱点

ダークトライアドは攻撃されることを想定してません。

ダークトライアドは頭が良く論理的で説得力があるのですが、その論理が自分に返ってくるとは想像していません。

上司や部下をうまく操作するためだけに論理を作り出すため、その論理を自分に当てはめて考えることができません。
リスクを取りやすいという傾向も関わっていると思われます

ダークトライアドに対しては、相手の言った理論を相手にそのまま返すという方法で戦っていきましょう。

よく考えれば相手の行動と発言が矛盾するところが見えてきます
それは前に行っていたことと矛盾していませんか?と質問すると「この場合は〜」と適当な理論が出てきますのでさらに反論していきましょう。

こうしたやり取りは多数の人がいる前で行う事がポイントです。
少人数であれば反論してきた相手を貶めるために周囲に嘘をつき、こちらの信用を落とそうとしてきます。少人数でしか話す時がないという場合は携帯でボイスメモを残しておくのも効果的です。

まとめ

今回はダークトライアドを見抜くHEXACOについて紹介しました。

正直さと謙虚さに注意して人付き合いをするとストレスのない人間関係が作れるかもですね。

特に恋人がダークトライアドの場合は精神的に追い込まれることもあるので気をつけましょう。

できるだけ近い性格の人と付き合った方が良い関係が築けることも知られているので参考にしてもらったらと思います。

参考文献
Honesty-humility factor of the HEXACO model of personality
HEXACO model of personality structure
Is the Dark Triad common factor distinct from low Honesty-Humility?

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