【失敗する人必見】自尊心とセルフコンパッションの関係

知らないとやばい。自尊心とセルフコンパッションの関係
この記事はこんな悩みを解決します
  • 自分が他人よりも優れた人間だと思っている
  • 過去に自分の欲しいものは大抵手に入れてきた
  • 自分を批判する言葉に過剰に反応してしまう

自尊心をもつのは良いことです。しかし、偽りの自尊心だと過度に楽観的になるため失敗しやすく、絶望を感じやすくなります。また、自分がそのネガティブな感情に気づかないようにするために自分自身を騙すこともあります。

この記事を読むことで自尊心のデメリットを克服する方法がわかります。

知らないとやばい。自尊心とセルフコンパッションの関係

自尊心とは自分自身が善良で価値のある人間だという信念に基づいています。昔から自尊心のあるひとは活力にみなぎり友人が多く、人生に対して前向きということが言われていました。

しかし、最近では自尊心に対して疑問が出てきています。

有名な社会心理学者のロイ・バウマイスターは2003年に自尊心が学校や職場での成績、リーダーシップ、喫煙、飲酒と関係がないという結論を出しています(R)。この原因として自尊心の作られ方が影響しているのではないかと考えられています。

自尊心の作られ方

自尊心は友人や家族など自分に近しい人よりも親しくない他人からの影響を受けやすいことが分かっています。確かに母親が褒めてくれたとしても「親なんだからそういうだろ」と思ってしまいますよね。それよりかは全く知らない人に「気がきくね」、「偉い子だね」と言われた方が嬉しいと思います。
しかし、こうした言葉には根拠がありません。一時的な振る舞いを見ての判断なので本当の自分を表していることは少ないでしょう。

こうした根拠のない自尊心があるせいで他人を蔑んだり、自分の自尊心が傷つかないようにズルをしてしまいます。

では自尊心にはどのようなデメリットがあるのか見て行きましょう。

自尊心のデメリット

自尊心により自己肯定感が高まり、困難なことにもチャレンジできるというメリットがあるようです。しかし、間違った自尊心を持っているとデメリットが多くなってしまいます。

自分の自尊心が正しいかどうかは自尊心の理由を検討しないといけません。家族の支えや目標達成のための過去の努力などがあれば健全な自尊心を持っている可能性が高まります。

一方で間違った自尊心には下記のようなデメリットがあります。

自尊心のデメリット
  • 自分を過大評価する
  • ナルシストになる
  • 努力の目的を誤ってしまう

自分を過大評価する

ワシントン大学で行われた研究では自尊心の高い人が自分の能力を評価すると他人が評価した時よりも自分のことを高く評価しやすいことが分かっています(R)。

どうやら、自尊心の高い人は客観的に自分を見ることができず感情的に自分の能力を評価しているようです。これでは無謀なことにチャレンジしてしまい、挫折する原因になってしまいます。

ナルシストになる

ナルシストは他人と自分を分離し自分が他人よりも優れた人間であると思っています。自分のことにしか興味がないので他人が不幸になろうとも気にしません。

また、ナルシストは自分のことが大好きなので自分を攻撃してくる人に対して異常なまでに仕返しをしようとします。少しからかわれたり、悪口を言われただけで相手に暴力を振るう人などが当てはまります。

こんな人とは関わりたくないですよね。関わるとこっちだけが疲弊してなんの得も無いです。

努力の目的を誤ってしまう

自尊心が高い人は自分の自尊心が傷つくことを恐れます。自尊心によって自分を心地よくできるのですが、自尊心が傷つくと一気に不安や無力感に襲われるからです。そのため、仕事がうまくいかない時には数字を偽装したり、誰かを陥れることで自分の自尊心を守ろうとします。

他人からの評価に基づいて行動することを外発的動機づけ、と言います。自分の楽しみや興味など自分の内側から出た欲求に基づいていないので間違った努力になっています。

自尊心とセルフコンパッション

間違った自尊心を持っていると現実を突きつけられた時に自己概念が崩壊してしまい精神的に強いストレスになってしまいます。こうした人の脆さを補強してくれるのがセルフコンパッションです。

セルフコンパッションとは自分の感じている苦しみを思いやりを持って扱うことを言います。例えば、この苦しみは自分だけの物ではなく他の人も共通して感じていると認識する、などです。

重要なのは苦しみを拒絶するのではなく、全て受け入れるということです。

セルフコンパッションが高い人は自分の成功や失敗が一時的なものであることを理解しています。一方、自尊心の強い人は他人からの評価が良かった時には一気にやる気を発揮し、逆に他人の評価が低かった時にはやる気が出ず、回避的な行動を取ることが知られています。

しかし、重要なのは自尊心とセルフコンパッションが両立できるということです。自尊心が高かったとしてもセルフコンパッションにより失敗した時の不安や抑うつ的な症状が少なくなることが分かっています。

セルフコンパッションが不安を弱める

デューク大学で行われた研究ではセルフコンパッションが強い人は試合や舞台で取り返しのつかないミスをした状況を想像しても恥や無力感を感じにくいことが分かっています(R)。一方で自尊心はこうした反応に全く役に立っていませんでした。
また、別の実験ではセルフコンパッションが高い人は相手の評価をありのままに受け入れることも分かっています。しかし、自尊心が高いと中立的な意見だったとしても不満を持ってしまうようです。

このようにセルフコンパッションが高いことでストレスを受けても必要以上に自分を傷つけなくて済むようになります。

セルフコンパッションが高いとまるでスポンジのように全てを受け入れることができる、ということですね。

自尊心にとらわれないためのセルフコンパッション

では、自尊心を克服するためのセルフコンパッションの方法を紹介します。

まずは、自分が他人よりも優れている、劣っていることで嬉しくなったり悲しくなったりすることを紙に書き出してみましょう。
例えば、背が低い、作業が速い、文章を書くのが苦手、などです。

上記で挙げた項目についてなぜ他人よりも優れている、または劣っているのか考えましょう。それだけの努力をしたから、持って生まれた才能だから、周りの支えがあったから、などです。
また、なぜ嬉しくなったり、悲しくなるのかも考えましょう。例えば努力したのに報われないから、お金が得られないから、興味があることだから、などです。

次に上記で挙げた項目が自分の価値に影響するのか考えましょう。なぜ他人よりも優れていたり、劣っていることで自分の人間的価値に影響するのでしょうか?影響があるとしたらそれを自分がどの程度コントロールできるのか考えましょう。

コントロールできないものに対して苦しんでいる自分に対してあなたはどんな風に思いやりの言葉を投げかけますか?相手が苦しんでいることを理解して優しい言葉を書いてみましょう。

まとめ

今回は自尊心のデメリットとその克服法について紹介しました。

自尊心が高いと自分の自尊心を守ろうとするので間違った行動や判断が多くなります。そのため、セルフコンパッションで補完するようにしましょう。無駄な苦しみを感じなくて済むようになります。

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