感情を出す方が人間関係がうまくいく話

感情を出す方が人間関係がうまくいく話

人間関係をよくするためにはどうしたらいいのでしょうか?
➡︎周りの人間はあなたの表情を認識してあなたがどんな人間なのか判断します。

感情を出さないと関わりを持つことに不安になり関係を築こうとしてくれなくなります。
今回は感情を出すと相手にどのような印象を与えるのかについて書いていきます。

感情を出す方が人間関係がうまくいく話

この記事は2016年にAllison M. Tackman によって発表された論文に基づいています。

感情を抑制するデメリットとは?

➡︎下記のものが知られています

  • 他人と仲良くなりにくい
  • 彼氏、彼女と別れやすくなる
  • 会話中に親近感を抱きにくくなる
  • ストレスがたまる
  • 第一印象が悪くなる
  • 周りからのサポートが得られにくくなる
  • 人生の満足度が低下する

こうしたデメリットの原因は私たちが人間関係を築くときに関係を築くのにかかる時間や相手の人間性に対するリスクを考えるからです。

このリスクを回避するために私たちは無闇に人間関係を築こうとはせず、事前に生活の中で相手の感情を読み取り仲良くなってもいいか判断するようです。

著者はこうした感情を出すか出さないかが相手にどんな印象を与えるか調査しました。

楽しさを抑えていると評価が低下する

149人のノースウエスタン大学の学生を対象に実験を行っています。
動画とその動画を見ている人の表情が画面の半分づつに表示されるようになっています。
人の表情だけを見る場合と動画と人の表情を一緒に見る場合に分けて調査します。

?動画を見ている人の顔
楽しさの顔、悲しみの顔、楽しさを抑えている顔、悲しみを抑えている顔の4種類が用意されています。

動画と人の表情一緒に見る場合、楽しい表情とあまり楽しくない表情を入れ替えて見させることで感情を抑制しているように見えるようにしています。
悲しみに対しても同様のことをしています

その後、相手の感情や性格、関係を持ちたいかなどのアンケートに答えてもらいます。(性格の診断にはビッグ5を用いています。以前の研究から外向性、同意性が人間関係に重要ということが分かっています。)

結果

➡︎感情を抑えていると判断された場合、関係を持ちたくないと思われていた

?人の表情だけの場合
感情を出さないだけでも外向性、同意性が低く評価され、関わりを持ちたくないと判断されていました。特に楽しさを抑制した場合、悲しみを抑えるよりも外向性、同意性が低く評価されていました。

おそらく、日常生活の中で悲しみを抑えることはあっても、喜びを抑えることはあまりないためこのような現象が起きたと考えられています。

?動画と一緒に相手の表情を見た場合
感情を抑制しているように感じさせると評価が一段と低くなっていました

おそらく、共感力の違いが相手の評価の低下に繋がったと考えられています。

一緒に楽しい映画を見ていて相手が楽しくなさそうだと仲良くなれそうにないと思われてしまうということですね。

悲しみを抑えていても評価が低下する

この結果をもとに外向性、同意性について詳しく見ていくことにしました。
外向性に含まれる情熱、同意性に含まれる思いやりについても調査しました。

また、無表情としてスクリーンセイバーを見ている時の表情をコントロールに使用して調査しています。

結果

➡︎悲しみの表情でも外向性や同意性、情熱、思いやりの評価が高まっていることが分かりました。しかし、悲しみを抑えると無表情の時よりも評価が低くなります。

?悲しみを少しだけ出すのは逆効果
この結果から、無表情の場合がゼロで感情を出すにつれて評価が改善されるのではないということが分かります。少しの表現だけでは逆効果になる見たいです。

➡︎映像の中身がわからない場合は楽しさを少しだけ出しても情熱や思いやりの評価が上がっていました。
しかし、映像の中身がわかる時には無表情よりも低い評価でした。

?楽しさを少しだけ出すのは効果あり
この結果から、被験者が映像の内容をどう思うかを基準にして相手の表情を判断していると考えられます。

まとめ

✔️この研究から感情を出すことが相手との人間関係の構築に役立つことが分かりました。

悲しみを抑えている人厳しい人だと認識され、楽しさを抑制している人は単に楽しいことを拒否しているように見えるようです。

?何に感情を動かされているかも重要です。
コンテンツの中身がわかるときはそのコンテンツの内容も判断に加えられています。
特に楽しみに関してはコンテンツの中身の影響が強いようです。

?感情を抑制する方が良い場合もあります。
例えば、誰か不運で面白いという映像の場合、楽しさを表す表情をするよりも抑えることで礼儀正しいと感じる場合があります。
文化的背景や普段の生活がこうした認識の違いを生むかもしれないですね。

?人間関係には価値観が大事
結局は価値観が違う人とは仲良くなりにくいってことですかね?
価値観が違うと感情の出方が違って関係を深めてもいいのか不安になるようです。

関連記事