出生順位が知能に影響する

出生順位が知能に影響する

なぜ自分は頭が悪いんだろうと思ったことはありませんか?
➡︎出生順位や子供の数が知能に影響するということが知られています。

その理由もだんだんと分かってきており、説得力のある理論ができています。今回はどのような環境に生まれると知能が高くなるのか調査した論文を紹介します。

出生順位が知能に影響する

出生順位と知能の関係はよく分かっていませんでした。なぜなら、ある一時点を見たときには差が出るのですが、長期的な視点で見たときは差が出ないからです。

Francis Galtonは出生順位と知能の関係を明らかにするため、180人の成功した科学者を調査しました。

その結果、成功した科学者のうち48%が第一子であることが分かりました。

さらに、ノーベル賞の受賞者やクラシック音楽の指揮者、有名な心理学者などの特別な成果を挙げている人を調査した結果でも46%が第一子であることが分かりました。

このように第一子の子の方が知能が発達しやすいと考えられます。

しかし、第一子の子は特定のタイプに偏ることも言われています。それに対し、第二子以降の方が第一子よりも創造的で革命的な発見ができるとしています。

その理由として、第二子以降の子は自由に挑戦できる環境が整っているからと考えられています。

第一子の子は家を継いで行くという責任を持っているため堅実な考えが多くなってしまいます。それに対し、第二子以降の子は責任がないため自由な発想で物事を考えれるとされています。

では、なぜ成果を挙げている人に第一子の人が多いのでしょうか?

子供の人数と出生順位が知能に影響する

Lillian Belmont と Francis Marolla は子供の人数と出生順位が知性にどのように影響するか調査しています。

その結果、子供の多い家族ほど子供の学力が低くなる傾向が見られました。また、第一子の方が後から生まれた子よりも学力が高くなる傾向も見られました。

この違いが出る理由は下記のように考えられています。

  • 第一子の子は経済的リソースを得られやすく、高い教育を得られやすい。
  • 第二子以降の子は長男とリソースをシェアしなければならず、長男が最初に受けていたほどのリソースが得られない。
  • 第一子の子は親との関わりを独り占めできる期間があり、両親の成熟した言語に触れられるため言語能力が発達しやすい。
  • 第二子以降の子が多くなると未熟な言語に触れる機会が多いため、言語能力が発達しにくい。
  • 第一子の子は第二子以降の子に教える機会が多いため言語能力が向上しやすい。

このように第一子の子は親と密接な関わりを持ちやすく、経済的な面からも高等教育を受け易い環境にいることが分かります。

それに対し、第二子以降の子は第一子とリソースをシェアしなければならないため、質の高い教育の機会が減少してしまいます。

子供の数が増えるにつれて知能も低下していく傾向にあるようです。理由としては人数鵜に応じてシェアする人数が増えますし、未熟な言語に接する機会が多くなるからだと考えられています。

こうした出生順位と知能の関係は分かってきていますが、科学の分野での成功に知能はそれほど関係がないことも分かってきています。

知能以外の重要なファクターも第一子は享受していることが考えられます。

知能以外の何かは今後の研究に期待です。

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