恋人、夫婦との関係がうまくいかない理由とその改善策

恋人、夫婦との関係がうまくいかない理由とその改善策

夫婦の関係はうまくいっていますか?
➡︎うまくいかない理由として愛着型が考えられています。この愛着型を改善するために感情焦点化療法が有効とされています。

感情焦点化療法とは相手の振る舞いに対して捉え方を変える方法です。今回は2015年にMelissa Burgess Moser によって発表された論文に基づいて感情焦点化療法について紹介していきます。

恋人、夫婦との関係がうまくいかない理由とその改善策

何故関係がうまくいかないのか?

➡︎愛着型に問題があると考えられます。

愛着型とは子供の頃に主に親との経験を基に作られる人間関係に対する考え方の事です
主に3つあります
・安定型…必要なリソースや時間も確保でき、ネガティブなことにも対処できると感じます
・回避型…ネガティブな感情を受けると感じて相手との関わりを避けます
・不安型…愛を得られるか不安でネガティブな感情に負けてしまいます
親からの十分な愛情を得られた人は安定型になり、愛情を得られなかった場合は回避型や不安型になります。

相手によって愛着型が変わる

愛着型とは相手によって変わる事があります。
例えば母親に対しては安定型だけど、父親に対しては不安型になる、などです。
普段の生活で人間関係がうまくいくのに夫婦間でうまくいかないという場合は愛着型が変化しているためと考えられます。

感情焦点化療法とは?

➡︎愛着理論に基づいて相手の振る舞いを分析し、互いの感情に寄り添えるようになることを目指します。

手順として3つあります。
1、対立する事柄について議論する
2、専門家からネガティブな発言やポジティブな発言について評価を受ける
3、相手の感情を気遣いながら会話できるようにする

これを1セッションとして振る舞いが改善されるまで繰り返します。

感情焦点化療法の効果はあるのか?

➡︎確認されている効果としては
・8-12のセッションで70-73%のカップルの関係が回復した
・60-70%のカップル間の満足度が3か月から2年で高まった
などがあります。

この治療法では専門家からの評価が重要な部分になります。専門家でなくても第三者が冷静な目で見てもらう事が大切なポイントです。

分析のやり方

例えば夫婦の間で家事の分担だったり、連絡が遅いなど対立が起こる事柄について話してもらいます。パートナーが相手を批難したときにもう一人のパートナーは一歩引いてしまったとします。
これを分析すると批難するのは不安型が強まったためで感情的なつながりが欲しいと思ったから、一歩引いてしまったのは回避型が強まり相手を喜ばせられないと認識したから、となります。

このように分析する批難した、批難されたということではなく、その根本にある感情に焦点が行き相手を思いやる事ができるようになります。

これにより主に3つの変化が起きます

1、一歩引いたパートナーは自分が拒否されるかもしれないという恐れを受け入れパートナーに感情的に寄り添います。
2、非難したパートナーは相手が引いたのが本当の感情ではなく拒否される恐れからきていることを理解します。
3、非難したパートナーは回避される恐れを強めることで弱い立場から相手と関わります。
➡︎これにより引いたパートナーは相手の温かさや寛容的な反応に安心して安定型になりま

感情焦点化療法の課題

・セッションごとに治療効果が見れるのか?
・主観的、または客観的に愛着型や振る舞いの変化が見られるのか?

?この課題をもとに著者は下記の仮説を検証しました
仮説1;夫婦は不安や回避傾向を減少させる
仮説2;治療後の夫婦は相手をサポートする振る舞いが増える
仮説3;セッションごとに不安や回避傾向が減り、満足度が増える

感情焦点化療法により夫婦の関係がうまくいく

?被験者の選別
著者は相手との関係に満足しておらず、不安型か回避型のカップルを選別しました。
・相手との関係の満足度を測定するためにDynamic Adjustment Scale(DAS)
・愛着型を調べるためにModified Experiences in Close Relationship-Short Form(ECR-SF)
を使用しています。

その後、感情焦点化療法に則り対立を解消するタスクを行わせました。
・対立、専門家の助言、会話の改善を1セッションとします。
・セッションごとに関係性の満足度や愛着型の測定を行っています。
相手を非難するときの姿勢が柔らかくなった時に治療が完了したと見なしました。

?Secure Base Scoring System(SBSS)により愛着型に基づいた振る舞いを測定した。
対立する内容について15分間議論させ、
・パートナーが苦痛のシグナルをはっきりと出しているか?
・どのぐらいシグナルが維持されているか?
・パートナーが助けるべきだと感じる表現を使っているか?
・他の人と対立しようとしているか自己解決しようとしているか?
・パートナーの心配の程度?
・パートナーの苦痛を認識する能力?
・その苦痛が重大なものか判断する能力?
・反応の程度
が評価されます

?Adult Attachment Interview(AAI)によって愛着型の測定を行いました


この結果、感情焦点化療法により全ての仮説か立証されました
仮説1;夫婦は不安や回避傾向を減少させる→◎
仮説2;治療後の夫婦は相手をサポートする振る舞いが増える→◎
仮説3;セッションごとに不安や回避傾向が減り、満足度が増える→◎

✔️この結果から、感情焦点化療法によって不安型や回避型が弱められ、相手との関係に満足することが確認できました。
➡︎セッションを繰り返すごとにこの効果は強められたようです。

結果の補足情報

?強い不安型の人は感情焦点化療法の効果が弱い
不安型の弱い人で大きく改善がみられましたが不安型が強いとあまり改善していませんでした。
➡︎ただ、強い不安型の人でもセッションが多くなると改善が見られました

?回避型の減少は二人の関係を満足させる
感情焦点化療法によって回避型の傾向が大きく改善され、振る舞いも改善しました
相手からのネガティブな感情ともしっかりと向き合うようになり関係性に満足するようになりました。

?安定型の人の能力
・パートナーの変化にすぐに気づけます
・親密なコミニケーションを通じて感情的なサポートを行います
・思考や記憶、感情が発達しています

✔️本当に悪い時は専門家に頼みましょう
今回の研究では専門家の意見によって関係を改善できました。
第三者からの意見は強力で頼りになります。

☑️専門サイト
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