コーヒーは体に良いのか悪いのか?→いくつもの優れた健康効果があります。

コーヒーは体に良いのか悪いのか?→いくつもの優れた健康効果があります。
この記事の対象者
  • コーヒーを飲みすぎていないか心配
  • コーヒーをついつい飲んでしまう
  • コーヒーの健康効果が知りたい

仕事中やドライブをするときにコーヒーが欠かせない、という人も多くいるでしょう。実際に眠気を吹き飛ばしてくれたり、集中力をアップしてくれる効果が確認されています。ただ、コーヒーには一般的に知られている健康効果だけではなく、驚くべき健康効果があるようです。今回はハーバード医学教授が教える 健康の正解を参考にコーヒーの健康効果や飲みすぎによって起こる悪い効果も紹介していきます。

コーヒーは体に良いのか悪いのか?→いくつもの優れた健康効果があります。

コーヒーには確かに効果があるのですが、効果がある分だけ何となく飲みすぎると体に良くない、と思っている人が多いのではないでしょうか?ハーバードメディカルスクールのサンジブ・チョプラはコーヒーを飲みすぎて害になることはない、むしろ良い効果がたくさんあると述べています。確かに飲む量が多いほど健康効果があるというデータはあるのですが、これは言い過ぎですね。過ぎたるは及ばざるが如し、というように飲みすぎには注意した方が良いです。1日に何十杯も飲んでいると胸焼けや不眠の原因にもなるので適度にしときましょう。本の中では1日に4、5杯ならほとんどの人に悪影響は出ない、と紹介されています。

私たちの行動によってどのような結果になるのかを調査する研究を疫学研究と言います。膨大な量のデータからコーヒーを飲んでいる人はどんな病気にかかりにくくなっているのかを調査しています。この調査の結果、コーヒーの健康効果として下記のものがわかりました。

  • アルコール性肝硬変のリスクを下げる
  • 2型糖尿病を抑制する
  • 心臓発作、脳卒中のリスクも下げる
  • 様々なガンのリスクが下がる
  • 脳にも良い影響がある
  • 運動能力や注意力が高まる
  • 虫歯を抑制する
  • 長生きできる

アルコール性肝硬変のリスクを下げる

コーヒーにはアルコールによる肝硬変を押さえる力があります。大人にとって一番の楽しみがお酒という人も多いのではないでしょうか?しかし、毎日お酒を摂取しているとアルコールを分解するために肝臓に負担がかかり、肝硬変になる恐れがあります。お酒良く飲むし少し心配だな、という人はコーヒーを日頃から飲むようにしましょう。疫学調査の結果からコーヒーを摂取している人は肝硬変になりにくい、ということが分かっています。具体的にはコーヒーを1日2杯飲むことによって肝硬変のリスクを40%、4杯飲めば80%減らすことができるようです。

また、アルコールを飲む人が肝硬変と同様に気をつけなければならないのが、肝臓ガンです。この肝臓ガンについてもコーヒーは効果があるようです。アメリカの肝臓病学会にはコーヒーを定期的に飲む人は肝臓ガンになるリスクが優位に低い、という内容が発表されました。他にも多くの研究がコーヒーと肝臓ガンの関係について調査しており、どうやら1日にコーヒーを3杯以上飲むと肝臓ガンになる可能性が半分以下になるようです。

どうしてこうした効果が出るのかは分かっていませんが、コーヒーを飲む人は肝酵素の血中濃度が低く、クロロゲン酸やトコフェロールなどの抗酸化物質が含まれ、アディポネクチンと呼ばれる血中のホルモンが多く、グルコースの代謝に影響していることが関係あるのではないかと言われています。

2型糖尿病を抑制する

2型糖尿病とは、いわゆる生活習慣病と言われる普段の生活習慣が原因で起こる糖尿病です。糖尿病自体は怖くないのですが、糖尿病が心臓病や腎不全などの様々な病気を引き起こします。

コーヒーはインスリンの抵抗性を改善することでグルコースの代謝に影響します。糖尿病の人は食事により血中のグルコース濃度が上昇してもグルコースを正常なレベルまで下げることができません。なぜなら、インスリンに抵抗して本来のインスリンの効果を発揮できないからです。しかし、コーヒーを1日6杯飲む人はこうしたインスリンの抵抗性を改善し、2型糖尿病のリスクを40%下げることができます。

他にも似たような研究は色んなところで発表されているようで、ミネソタ大学で発表された発表された論文では、女性は閉経後に2型糖尿病になりやすいようなのですが、コーヒーを1日6杯以上飲む人は糖尿病のリスクが22%低下したことが分かっています。ちなみに、カフェインレスのコーヒーでも同様に効果があったことも分かっています。

心臓発作、脳卒中のリスクも下げる

コーヒーを飲むと興奮作用で心拍数が高くなることが言われています。この知見から心臓の弱い人はコーヒーを飲むのを控えるべきだ、という通説があります。しかし、18年間にわたって4万人以上のデータを分析した研究によると1日5杯以上のコーヒーを飲む男性は心疾患による死亡率が44%低かったようです。他にもストックホルム心臓疫学調査プログラムでも1日にコーヒーを5杯以上飲む人は致死性の心臓発作のリスクが半減していることが分かりました。

他にもハーバード大学で行われた研究ではコーヒーを1日2杯以上飲む人は脳卒中のリスクが19%低く、1日4杯以上飲む人は脳卒中の発症率が43%も低くなっていることが分かっています。また、この効果はカフェインレスのコーヒーでも効果があったようで、コーヒーに含まれるカフェイン以外の成分の効果と考えられています。

様々なガンのリスクが下がる

様々な病気の中でも死因の1位を占めているガンですが、コーヒーは様々なガンに対しても効果があるようです。南カリフォルニア大学で行われた研究では、1日1、2杯のコーヒーを飲む人は全く飲まない人に比べて結腸ガンになるリスクが22%低いことがわかりました。また、3杯以上飲むと結腸ガンのリスクが半減するという結果も出ています。

他にも1日3杯以上のコーヒーを飲む人は皮膚癌になるリスクが20%低くなることや1日1杯以上のコーヒーを飲む人は口腔、咽頭、食道がんの発症リスクが半分以下になっていることも分かっています。

脳にも良い影響がある

コーヒーを飲むと眠気が吹き飛ぶように、認知機能を高めることが確認されています。実際にパーキンソン病やアルツハイマー病のような病気を抑制することがいくつかの研究から分かっています。数字にすると1日に3杯以上のコーヒーを飲む人に比べて全くコーヒーを飲まない人はパーキンソン病と診断されるリスクが5倍以上高かったようです。また、リスボン大学で行われた研究では1日に3、4杯のコーヒーを飲むことで神経疾患の発症率が25%低下することが分かっています。

他にもハーバード大学が行った調査によると1日に4杯以上のコーヒーを飲む女性はうつ病になるリスクが20%低くなっていることが分かりました。この原因としてコーヒーが幸福感を生み出すドーパミンの分泌を促すから、という説が有力とされています。

運動能力や注意力が高まる

コーヒーに含まれるカフェインは中枢神経を刺激し、心拍数や血圧を上昇させる効果があるとされています。実際にカフェインを摂取すると運動による疲れを感じにくくなり、長時間の運動ができるようになることが知られています。イギリスのスポーツ雑誌に掲載された研究では運動負荷テストの成績を12%向上させた、という結果が得られています。他にも肥満の人の脂肪燃焼率を10%、痩せている人では29%も高めるということも分かっています。

さらに、コーヒーには怪我や事故のリスクを低下させる効果もあることが分かっています。2013年のオーストラリアの研究では長距離トラック運転手を対象にカフェインを摂取する人としない人で事故をするリスクを比較しました。その結果、カフェインを摂取することで事故をするリスクが63%も低くなっていることが分かりました。このことから、運転するときにコーヒーを飲むというのはかなり合理的な行動ということが分かります。

虫歯を抑制する

ボストン大学のゴールドマン歯学部大学院の研究によるとコーヒーの摂取量が多いほど虫歯の本数が有意に少ないことが分かっています。この原因として口内細菌の増殖を抑制したからだと考えられています。特に、コーヒーの成分であるトリゴネリンが抗菌作用を持っていて虫歯の原因となる菌から歯を守っているようです。また、2009年に行われたインドの研究でもコーヒーを飲んでいる人は虫歯の発生率が有意に少ない、という結果が出ています。ただ、砂糖や牛乳などを加えるとその効果がなくなってしまうのでブラックコーヒでないと効果がないようです。

長生きする

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載されたアメリカ国立衛生研究所の研究では14年かけて40万人のデータを集め、コーヒーを1日2〜6杯飲む人はコーヒーを飲まない人に比べて全死因死亡率が男性の場合は10%、女性の場合は15%低くなっていることを突き止めました。中でも1日4、5杯のコーヒーを飲む人の死亡率が一番低くなっていました。なぜ、このような違いが出たのかは分かっていませんが、上記で紹介したような健康効果が関係しているものと思われます。

コーヒーによる健康問題

上記ではコーヒーの健康効果を紹介してきました。しかし、もちろんコーヒーには悪い効果もあります。そのいくつかを紹介します。

コーヒーには中毒性がある

コーヒーに含まれているカフェインが中毒性をもたらす原因となります。ただ、1日に何十杯も飲まない限り健康被害は出ないようなのでそこまで深刻な問題ではないと思います。

胸焼けの原因になる

コーヒーは胃酸の分泌を促進することにより胸焼けの原因になります。これは対処のしようがないのですが、1日に4、5杯程度ならこうした悪影響も出にくいと言われています。

心拍数の上昇

コーヒーには興奮作用があるので心拍数が上昇します。このことから心臓に病気を抱えている人には良くないのではないか?と言われてきました。しかし、上記でも簡単に触れたようにコーヒーを飲むからといって心臓の病気で死亡率が上がったという報告は無いようです。むしろ、コーヒーを飲むことで死亡率が低下しているようです。

カルシウムの吸収を妨げる

コーヒーはカルシウムの吸収を妨げます。骨粗相症を研究している人たちはコーヒーを飲むのを控えるように言っているようですが、コーヒーに小さじ1、2杯の牛乳を加えることで取り返せるという研究もあるようです。

睡眠を妨げる

コーヒーには興奮作用があるので寝る前に飲むと寝つきが悪くなります。体内でのカフェインの効果が半減するのには6時間かかるという研究もあるので夕方以降は飲まないように注意しましょう。

まとめ

今回はコーヒーの健康効果について紹介しました。

今回参考にした本ではコーヒーを「究極の飲み物」として紹介しています。コーヒー好きな人は結構いると思うので参考にしていただければと思います。

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