【バイオ系の技術職へ就きたい人へ】おすすめの転職方法とよくある疑問に答えます。

【バイオ系の技術職へ就きたい人へ】おすすめの転職方法とよくある疑問に答えます。
この記事の対象者
  • バイオ系の技術職に就きたい
  • バイオ系の転職について疑問に答えてほしい
  • 就職活動について見落としていることがないか確認したい

バイオサイエンスを学んできた人の多くは就職活動で悩みます。私も今までに2回転職をしましたが、どうやって就職活動をすればいいのか悩んできました。時には自分の専門と関係ない職業への転職も考える、など迷走していた時期もありました。今回はそんな私の体験を元にどのように就職活動すればいいのか紹介していきます。

この記事を読むことでバイオ系の技術職に就職するための方法が分かります。

【バイオ系出身者の人へ】おすすめの就職活動とよくある疑問に答えます。

バイオ系の会社に就職したいからといってすぐに就職活動を初めては行けません。まずは、自分の軸を作ることが重要です。求人広告は人を惹きつけるように書かれているので、それほど興味が無いにも関わらず応募してしまいがちです。また、就職活動をしているとお祈りメールをもらうことも多く、就職できないと言う不安にかられるため、興味のない仕事にもとりあえず応募しようと言う心理になってしまいがちです。しかし、こうした就職活動をしていると就職したものの本当にやりたい仕事と違った、と言うことになりかねません。

私自身、自分の専門と関係のない企業で内定をもらいましたが、いざ転職となると今まで学んできたことを捨てる勇気が出ず、内定を辞退してしまいました。こうした転職活動をしていると効率が悪いですよね?そのため、まずは自分にとっての軸を確認することから始めましょう。具体的な手順としては下記の3つです。

この記事はこんな悩みを解決します
  • 自分の経験、スキルを棚卸する
  • 企業に求める条件を整理する
  • 転職サービスに登録する

自分のスキル、経験を棚卸する

まずは、これまでの自分のスキルや経験を整理しましょう。スキルや経験のバックグラウンドについても考えると同時に自己分析もできるのでおすすめです。

就職するときには会社に何かをしてもらうのではなく、自分が会社に何をしてあげられるかを考えなければなりません。会社にとって魅力的な経験やスキルがあれば採用される可能性も高まるでしょう。バイオ系の出身者が持っているとされるスキルについては下記のものがあります。

バイオ系出身者のスキル一覧

DNAワーク(DNA抽出、ベクターの作成など)、RNAワーク(RNA抽出、qPCRなど)、ゲノムシークエンス、TLC、HPLC、LC-MS、GC-MS、滴定試験、ウエスタンブロット、サザンブロット、ELISA、FACS、細胞培養、微生物培養、遺伝子組み換え、免疫染色、組織染色(固定、脱脂、脱灰、包埋など)、動物実験、飼育管理

スキルだけではなく、経験も重要です。実験を手順書通りに行うだけではなく、うまくいかない時にどのような工夫をしたか、などが重要な経験となります。世の中に出ていないノウハウなので価値が高くなります。また、こうした経験は実験だけでなく、あらゆる業務で求められます。実際に求人の多くが下記のような経験を求めています。

バイオ系出身者の経験

研究経験、非臨床試験、薬事申請、製造経験(GMP環境下での作業)、品質管理の経験、製造プロセスの開発、CRAの経験、CROの経験

こうした経験は会社も重視しているので、自分が今まで何をやってきたのか整理して起きましょう。ポイントとしては3つあります。
・なぜ、その職種を選んだのか?
・どんなことを感じたのか?考えたのか?
・今後、どうしていきたいか?

企業に求める条件を整理する

自分のスキルや経験が把握できたところで、企業に何を求めるのかも考えましょう。自分がどのような人材になりたいのか、どのようなライフスタイルを望んでいるのかが分かっていないと幸せにはなれません。

企業側も「この人が入社して幸せになれるのかな?」と言う目線で見ています。会社の利益だけ考えて採用しても、その人にとってメリットがなければ長く働いてくれないだろうし、成長していかないだろうと考えるからです。互いにWin-Winの関係だと思えることで採用される可能性が高まります。

まずは仕事のやりがい

一言で「仕事」と言っても内容は様々です。同じ仕事をするにしても、自分にとってどのような働き方がいいのか考えましょう。ポイントは下記の6つです。

仕事にやりがいを感じるポイント
  • 社会的インパクト…学校で人気者になりたい、大きな仕事がしたいなど
  • 利他的な行動…身近な人が喜んでくれると嬉しい、他人のために何かしたいなど
  • 自分で決める…命令されるのは嫌だ、自分で考えて動きたいなど
  • 自分の強みが活かせる…好きなことがしたい、得意なことがしたいなど
  • お金(勝利)…お金などの報酬が欲しい、他人に勝ちたいなど
  • チームでの達成…仲間と協力して仕事したい、多くの人と関わりたいなど

これらのポイントについて過去の経験を元に考えてみましょう。今までの人生で頑張ったことや楽しかったこと、辛かったこと、悲しかったことなど上記のどれが影響しているのか考えてみましょう。

多くの人に馴染みのあるサッカーを例に私の分析結果を書きます。私は学生時代にサッカーを頑張ってきました。なぜ頑張れたのか上記の項目について10点満点で評価してみました。

サッターが頑張れた理由
  • 社会的インパクト→2点
  • 利他的な行動→4点
  • 自分で決める→8点
  • 自分の強みが活かせる→5点
  • お金(勝利)→8点
  • チームでの達成→4点

こんな感じですかね。

サッカーという人気スポーツですが人気スポーツだからサッカーをしてた訳ではないので社会的インパクトは2にしました。応援してくれる親のために頑張ったということもありますが、自分が好きでやっていたので利他的な行動が4点、自分で決めるが8点にしました。運動は得意な方ではなかったので5点、練習をして上達するのは楽しかったので8点(お金ではなくサッカーが上達することを想定しています)、チームというよりは個人的なスキルアップを目指してたので4点と評価しました。

これはサッカーという一例ですが他にも自分の人生経験を元にこうした分析をして平均を出すと、自分が何にやりがいを持っているのかが分かります。

気をつけなければならないのは理想の自分ではなく、ありのままの自分を見つめることです。理系だからといってノーベル賞を受賞するような人をロールモデルにしないように注意しましょう。こうあるべきだ、という考えは後々自分を苦しめることになります。自己分析をもっと真剣にやりたいと言う人は以前の記事も参考にしてください。

次にプライベート

どんな仕事にやりがいを感じるのか把握したところでどんなプライベートを過ごしたいかも分析します。

多くの人は仕事のやりがいだけで決めてしまいますが、幸せにはプライベートも必要なので2つを総合的に判断する必要があります。

プライベートを測定するポイントは人によって様々なのですが、主に下記の6つです。

プライベートで大切にしたいこと
  • 家族との時間
  • 副業
  • 地域のコミュニティ
  • ボランティアへの参加
  • 趣味
  • 日々の生活

仕事のやりがいを10点とした時にこれらが何点になるのか考えてみましょう。これにより自分にあった働き方が見えてきます。

家族や地域の繋がりを重視するのなら地方の企業に絞って就活することになりますし、趣味や副業を重視したいという場合は地域を絞らずに就活すればいいでしょう。

ただ、バイオ系の技術職として就職するなら多くの場合、研究所や製造設備のある地域で働くことになります。残業が多くなり趣味や副業に時間を割けない、という可能性も十分あります。そういったことも考えて自分がどの企業に就職したら幸せになれるのか、考えましょう。

転職サービスに登録する

自分がどんなスキルや経験で会社に貢献できるのか、どんな働き方なら幸せになれるのか考えたところで転職サービスに登録しましょう。自分に軸ができているので効率よく求人が探せます。

リクナビNEXT

転職を決めた人の中の約8割が利用しているのがリクナビNEXTです。知らない人はいないぐらい有名ですよね。

オススメ理由

・リクナビNEXTだけの限定求人が約85%。圧倒的な求人数で、地域・職種問わずあらゆる転職者にマッチする求人を探すことができます。
・リクナビNEXTの中で履歴書や職務経歴書を作っておくと、個人で企業に応募するときに必要な書類も簡単に準備できます。
・グッドポイント診断によって自己分析が行えます。

こんな人にオススメ

・どの転職サイトを使うか迷っている
・とりあえず転職活動を始めたい
・どんな求人があるのか探したい

無料で転職に必要な書類も準備できる、と言うのは大きなメリットだと思います。私は最初の頃は履歴書を購入して活動していましたが、リクナビNEXTでPDFを作っておいてコンビニで印刷して写真を貼る、と言う方法が一番効率の良い方法だと思います。

リクルートエージェント

リクナビNEXTの中にはリクルートエージェントを経由しないと応募できない企業があります。そのため、リクナビNEXTを使うならリクルートエージェントにも登録しましょう。私も主にこの2つを利用して転職活動を行なっていました。

電話でどのような求人を探しているのか、どんな経歴があるのか聞いてくれるので自分が探してたような求人を紹介してくれることが多いです。他の大手のエージェントはそこまでしてくれなかったので、リクナビエージェントをお勧めします。

オススメ理由

・リクナビNEXTよりも履歴書や職務経歴書などを詳しく記入して準備することができる。
・リクナビNEXTよりも自分にあった求人を紹介してくれる割合が高い
・面接で聞かれるポイントなどを事前に教えてくれる

こんな人にオススメ

・転職を誰かにサポートしてほしい
・とりあえず転職活動を始めたい
・あまり出回っていない求人を探したい

ハローワーク

転職活動をするにあたって忘れてはならないのがハローワークです。大企業ばかりではなく、中小企業の求人も掲載されているのでチェックしておきましょう。やりたい仕事が大企業でなくても出来る、という時には役立ちます。ただ、応募する時にはハローワークへの登録や紹介状が必要になるので少し不便です。

オススメ理由

・転職サイトに乗っていないような地元の中小企業も探せる
・登録なしで求人を検索できる
・窓口に行くと様々な相談に乗ってくれる

こんな人にオススメ

・転職を誰かにサポートしてほしい
・地元で働きたい
・あまり出回っていない求人を探したい

その他の転職サービス

私が転職する時には様々な転職サービスを使用しました。しかし、上記の3つを押さえておけば大抵の求人にアクセス出来ます。中には他の転職サービスにしかない求人もありますが、ネット上でその求人を見つけた時に登録すれば十分だと思います。登録しすぎても管理しきれなかったり、メールが大量に届いて大事なメールを見落としてしまう、ということにもなりかねません。

上記の3つを利用しているけど、
・自己管理が出来ていて少し余裕がある
・他のサービスも使ってみたい
・上記のサービスに不満がある

と言う人は下記のサービスをお勧めします。

実際に、私もバイオ関係の職種で転職活動してた時に登録していたサービスです。

私の経験上、doda、マイナビ転職、エン転職は同じような求人が多いように思います。3つに登録してもあまりメリットは無いかと思うので、どれか一つ登録するようにしましょう。個人的にはバイオ関連ならdodaの方が求人数が少し多いように思います。

また、dodaエージェントサービス、type転職エージェント、パソナキャリアは全てエージェントですが、好きなものに登録すると良いでしょう。もし、dodaに登録するのであれば、dodaエージェントサービス に登録した方が効率よく転職活動が進みます。

転職サービスと一緒に登録したいサイト

転職でよく使われているサービスについて紹介してきました。しかし、他人と差をつけるためには一般的な就活サイト以外も使用しましょう。後悔しないための転職をするためにはこうしたサイトを使いこなすことも必要です。

私自身、あまり知られていないサービスを使っていたので、「良かった・参考になった」と言うサービスも紹介していきます。

ミイダス

最初に自分のスキル、経験を棚卸すると言うことを紹介しました。しかし、自分のスキルや経験がどのぐらいの価値があるのか、と言うのは客観的に判断しにくいと思います。

そこでおすすめするのがミイダスです。
無料で自分のスキルや経験を客観的に判断してくれるので役立つサービスだと思います。

口コミサイト

企業の情報を集めるのにツイッターやFacebookなどのSNSを使っている人も多いのではないでしょうか?同じように企業の情報は口コミと言う形で紹介しているサイトもあります。

企業の口コミが確認できるサイト

注意すべきなのは職種によって評価が違う、と言うことです。〇〇会社の評価が2だったとしても、会社全体の評価とは限りません。よく見たら特定の職種の人だけが書き込みをしているため、全体の評価が下がっていると言う可能性があります。もちろん、全体の評価が高くても特定の職種だけ評価が低いと言う逆パターンもありえます。

自分が応募した職種の人たちがどのような書き込みをしているのか確認しましょう。実際に働いている人の声を聴けると言うのは大きなメリットだと思います。

キャリドア

キャリドアは口コミだけでなく、業界の分析や転職活動を一貫して行うことができるサービスです。企業文化や経営陣の手腕、社会貢献度合いなど様々な切り口で評判を確認することができます。

見落としてしまいがちな財務データ、IRニュース、プレスリリース等の企業情報や業界データなどの客観的情報も分析してあります。また、400万人のデータをAIと脳科学で分析し、目に見えないパーソナリティや潜在的な能力を視覚化して、どんな職場環境や働き方、職業に向いているのかアドバイスが表示される機能もあります。

キャリドア無料でこれだけの機能が使えるのでかなりお勧めです。

転職人気ランキング

dodaの紹介している転職人気ランキングはとても参考になります。どんな企業に転職している人が満足しているのか、業種別、職種別、年代別などにまとめてあります。もちろん、バイオ関係の職種もまとめてあります。少しだけ、紹介するとメディカル部門は下記のような順位になっています。

  1. 武田薬品工業
  2. 富士フィルム
  3. アステラス製薬

やはり大手の企業だと満足度が高いみたいです。
転職を考えている人は一度は見ておきましょう。

よくある質問

バイオ系の業種に転職する時にいくつか疑問が生じることがあると思います。下記のような疑問について私の経験を元に答えていきます。

正社員派遣ってどうなの?

私は若いうちに正社員派遣の会社に務めるのは有益だと思っています。転職支援サービスを使っていると、正社員派遣の事業者からメッセージを受けることがあります。正社員派遣とは特定の企業の正社員として取引先に派遣される働き方のことを言います。そのため、数年ごとに様々な企業を経験することができます。

私自身、修士卒で正社員派遣の企業に就職しました。なぜなら、企業での実験が楽しいと思えばその会社へ正社員として入ればいいですし、楽しく無いと思えば大学で博士課程に進もうと思ったからです。

自分の進路に迷っている、スキルを身に付けたい、企業での実験を体験してみたい、と言う人にとっては正社員派遣もお勧めできると思います。ただ、明確な理由がなかったり、すでに年齢を重ねている人にはお勧めしません。

理由が明確になっていないと、自分のキャリアとは関係のない仕事をすることになります。「こんな筈じゃなかった」と言うことにならないように何の為に正社員派遣として働くのか明確にしましょう。また、すでに年齢を重ねていると通常の正社員として採用されにくくなります。数年で他の企業に移動になるとスキルや経験を深められないので、企業が求めているほどのスキルや経験が身につきません。個人的には30歳後半までなら正社員派遣でも転職に役立つスキル、経験が身につくのではないかと思っています。

正社員派遣を行なっている企業は企業との繋がりがありますし、転職を応援してくれるところが多いので、ある程度スキルや経験が身についたと思ったら相談してみると良いでしょう。

応募したけど連絡がない、自分から問い合わせるのはあり?

返信がない場合、自分から問い合わせるのは有効だと思います。転職活動をしていると応募したけど返信がない、と言うことがあります。特に大企業の場合、全てに返信することができないので、こうした対応になることがあります。特に、企業の条件にマッチしてない人はこうした対応をされることがあります。

しかし、無視されたからと言って自分から問い合わせをしてはいけない、と言うことではありません。個人的に問い合わせをしたところで会社側も「失礼なやつだな」と思うより「やる気のある人だな」と思います。逆に、こうした問い合わせをしてこない人はそこまで大きな志望理由がないと判断されます。

また、求人を募集していない企業でも明確に「募集していません」と書かれていない場合は問い合わせて見ましょう。もしかしたら、選考に進める可能性があります。私もスキルや経験などを書いて問い合わせをしたことがありますが、選考に進むことができました。その為、自分から問い合わせするのも有効だと思います。

大企業か中小企業か?

バイオ系の技術職を目指すなら会社の規模も考えましょう。中小企業だと設備が整っておらず、スキルや経験が伸びにくくなります。また、設備だけでなく社内の体制も整っていないので作業効率が悪く、仕組みを作るところから始めなければならなかったりもします。

できれば上場している企業を選ぶようにしましょう。上場している、と言うことは継続的に利益を生み出す仕組みができている、と言うことです。こうした基盤ができている企業に就職した方が自身のスキルを伸ばすことができます。

ただ、それよりも実家で働きたい、友達との時間を充実させたい、と言う場合は中小企業でも良いでしょう。価値観は人によって様々ですので自分に合った仕事を探せば良いと思います。また、地元の企業を探すときにはハローワークを使うのがおすすめです。

必要なスキルがない時は?

自身のスキルが足りない時は、今の仕事内容と目指す職種の間ぐらいの職種に就職しましょう。例えば、医薬品の製造をしてきたけど、これからは研究職を目指したい、と思ったとします。この場合、いきなり研究職に応募しても会社にメリットがないので採用されません。やはり、今までの経験や実績がある人に内定を出したいと思うはずです。

そのため、研究職ではなく、品質管理職を目指しましょう。製造よりも研究よりのスキルが身につきますし、品質管理の仕事には製造の知識が必要な時もあります。うまく会社側の募集とマッチすれば互いにWin-Winの関係が作れます。

正社員派遣でスキルを身に付けるのも有効です。上記で紹介したように、どんなスキルを身に付けたいか理由が明確なので、自分にメリットのある企業に派遣される可能性が高くなります。派遣先の企業としても正社員として雇うほどのリスクを取らなくて良いのでメリットがあります。派遣先で自分の臨む働き方ができるのなら、その会社に転職できないか聞いてみましょう。外から人を雇うよりもすでに知っている人を雇う方がミスマッチも少なくなるので、企業にメリットがありあます。

まとめ

今回はバイオ系の技術職に就きたい人を対象に転職活動の方法を紹介しました。

私自身、かなり試行錯誤してこの方法に辿り着いたので、かなり役立つ情報になっていると思います(自分で言うのも何ですが…)。皆さんも自分の臨む転職ができるように祈っています。頑張ってください。

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