【科学的データをもとに解説】ストレスを発散させる3つの方法

仕事のストレスを発散する3つの科学的方法
この記事はこんな悩みを解決します
  • ストレスを上手く発散させれない
  • 休日の過ごし方を見直したい
  • ストレスに強くなりたい

ストレスを上手く発散させれていますか?日々の生活でストレスが溜まっているけど上手く発散させれていない、という人も多いと思います。自分に合ったストレス発散方法を持っておくことでストレスに強くなることが知られています。今回はどのようにストレスを発散させるのがいいのか科学的な知見をもとに紹介します。

この記事を読むことで科学的なストレス発散方法が分かります。

【科学的データをもとに解説】ストレスを発散させる3つの方法

皆さんはどのようにストレスを発散させていますか?好きなことをしてストレスを発散させているつもりでも「あれ、思ったよりストレスが残ってるな。」と感じたことがあると思います。

こうした状態が続くとストレスが蓄積して仕事に行きたくなくなったり、夜に眠れなくなります。

では、どのようにストレスを発散させるのが良いのでしょうか?

よくある間違いは受動的な方法でストレスを発散させる、というものです。好きなだけ寝たり、テレビを見たりというのはストレスを発散させる効果がありますがそこまで大きな効果は得られません。

それよりかは自分で能動的に活動するストレスの発散方法が良いとされています。何か自分から行動を起こすことでストレスが発散されやすくなります。

能動的なストレス発散方法
  • 旅行に行く
  • 運動する
  • 友人と過ごす

旅行に行く

ストレス発散のために旅行に行くという人も多いと思います。心理学的にも日常から離れることで心理的リソースを獲得することができるので再び仕事に前向きに取り組めるようになるとされています。

また、フィンランドの研究では旅行に行くことで柔軟に物事を考える能力が高まることが分かっています(R)。柔軟なアイディアは行き詰まっていた仕事を進めたり、仕事の生産性を高める効果があるので仕事でのストレスを抑える働きも期待できます。

しかし、ただ単に旅行に行けばストレスが発散できるということではないようです。旅行に行って移動に時間がかかったり、台風が来て逆にストレスが溜まった、なんて経験がある人もいるかと思います。

ストレスを発散させる旅行の行き方

ノースウエスタン大学の研究では若干のストレスを感じる、もしくは最高にリラックスした時間を過ごすことでストレスを発散できるという結果が出ています(R)。さらに最高にリラックスできた人は2週間この効果が持続し幸福感も高まっていることが分かっています。
また、面白いことに旅行中よりも旅行を計画している時の方が幸福感が高まっていることも分かりました。この原因として著者は旅行に行くことを考えたり、旅行に行かない同僚と比較して自分が幸福だと感じやすくなった、と考察しています。

事前にしっかりと旅行の計画を練ると幸福感が高まり、旅行中のストレスの対策ができるのでストレス発散の可能性が高まりそうですね。

運動する

仕事の多くは机に向かっての仕事になって来ています。そのため、脳は疲れているのに体が疲れていない、というアンバランスな状態が出来てしまいます。

この状態を解消するために運動が最適です。運動することにより脳と体のバランスが正常に保たれ、下記の効果が得られるとされています。

運動から得られる効果
  • ホルモンの分泌を促進
  • 睡眠の質の向上
  • 生活習慣病の予防

それぞれについて解説します

ホルモン分泌の促進

運動によって放出されるホルモンとしてセロトニンとコルチゾールが知られています。セロトニンは幸福ホルモンとして知られています。運動により脳からセロトニンが分泌され、仕事のストレスからくる鬱や不安をやわらげる効果があることが分かっています。

一方でコルチゾールはストレスを感じたときに放出されるホルモンです。運動するというのはやはりストレスがかかります。しかし、運動によってコルチゾールを出しておくことで日常生活のストレスに強くなります。一度ものすごい困難なことに挑戦しておけば他のことが困難に感じないという感じですかね。

睡眠の質の向上

脳と体の両方が疲れていることで良い睡眠を取ることができます。脳が「眠りたい」と思っていても体が「まだまだ元気だぞ」と言うシグナルを送ると脳の「眠りたい」と言う信号が抑制されてしまいます。
そのため、脳と体両方を疲れさせると良いでしょう。

生活習慣病の予防

運動をすることで糖尿病や高血圧といった生活習慣病を予防できます。これはよく聞きますよね?実際に運動により体内にたまる酸化ストレスを軽減できることがわかっています。心臓を鼓動させたり、食べ物を吸収したりすると酸化ストレスと言うものが発生します。これは細胞の中のミトコンドリアがエネルギーを作る上で出てしまうストレスです。運動はこの酸化ストレスを少なくし、生活習慣病の予防につながるとされています。

分かっていても運動できない

運動が体に良いことは分かっているのですが、なかなか運動できない人も多いかと思います。そんな時には自分でルールを決めてしまいましょう。土日の9時から15分間ランニングする、と決めて徹底します。そうすることで「洗濯物が増えるな」、「今日は気分が乗らないな」といった運動するかしないかで迷うことがなくなるので運動する可能性が高まります。
また、負荷を与えすぎないことにも気をつけましょう。負荷が多いと運動に対して悪いイメージができてしまいます。負荷をかけるにしても最後は自分が心地よさを感じる程度にすると運動に対してポジティブなイメージを持ちやすくなります。

また、運動習慣がなかなか身につかない、という人もいると思います。2015年にNavin Kaushal によって発表された論文では運動習慣を身につけるのに週に4回の運動を6週間続けるとその後も習慣化しやすいことが分かっています。

週に4回というのは難しいですが、ウォーキングのような運動なら会社の昼休みでもできるのでお勧めです。

友人と過ごす

気のおけない友人と過ごすとストレスを発散できることが分かっています。仕事で心理的リソースが奪われてしまいますが、友人との時間を過ごすことで心理的に前向きになることができます。

カナダのコンコーディア大学によって行われた研究では友人と一緒に過ごすことによってストレスホルモンが減少するという結果を出しています(R)。また、この効果は仲のいい友達の方が効果が高くなります。

休日に友人と食事すると言う人も多いのではないでしょうか?無意識のうちにこの効果を実感しているのかもしれませんね。その場合、自分の感情を正直に話すことを心がけると良いでしょう。

自分の気持ちをさらけ出しても受け入れてもらえる、と言う感覚が社会的繋がりを強め、心理的安心感を強めます。仕事で嫌なことがあると自分に対して否定的になり、将来の不安を感じてしまいます。しかし、友人と過ごすことで安心感をもらえると自分に肯定的になり、「仕事を頑張ろう」と言う気力が湧いて来ます。

愚痴を言うことも効果的です。

職場の嫌な出来事を互いに言い合って笑いに変えましょう。これによりネガティブな感情をポジティブに変えることができます。

ただ、愚痴を言うときは互いに相手の気持ちに共感していなければなりません。自分の愚痴に対して自分を否定されるようなことを言われると強いストレスを感じます。思いやりとユーモアがある友人と愚痴を言うとストレスが発散できます。

ストレスを溜め込まない

ストレスの発散方法を紹介してきましたが、なかなか難しい場合もあるでしょう。そんな人はストレスを溜め込まないようにするのが重要です。日々のちょっとした隙間時間やマインドの持ち方でストレスを感じにくくなれば最高ですよね。

というわけで次にストレスを溜め込みにくくする方法を紹介していきます。

ストレスを溜め込みにくくする方法
  • ジャーナリング
  • セルフコンパッション
  • マインドフルネス
  • 成長型マインド
  • リラックスする時間を作る

ジャーナリング

ストレスは目に見えないために気づいたら溜め込みすぎていた、ということが起こってしまいます。そのため、ストレスの原因を書き出し見える化すると対処しやすくなるとされています。

推奨されているのはストレスになることを真ん中に書き、左にネガティブな自分の気持ち右側にポジティブな自分の気持ちを書くとよいそうです。
オークランド大学の研究によると1日に20分間不安なことを書き出すと3日で不安から立ち直るのが75%も改善したという結果があります(R)。

他にも2か月間ジャーナリングをすることで鬱や不安、ストレスを感じにくくなったという結果も出ています。

どうやらストレスを見える化すると「思ったよりもストレスが少ないな」と客観的な判断ができるようになり、ストレスを感じにくくなるようです。

セルフコンパッション

セルフコンパッションとは自分に対しての思いやりのことを言います。仕事での失敗や友人に対して辛く接してしまった時など自分を責めてしまいストレスがかかります。こうしたときにセルフコンパッションを行うことでストレスを感じにくくなります。

これは自尊心が高い人にはとても有効です。高いプライドを持っている人は自分が他人よりも優れていて、大きな成果を上げることができると思い込んでいます。しかし、理想の自分と現実の自分に差があり、現実を突きつけられるとストレスを感じてしまいます。

自分がこういうタイプではないと思っていても人は少なからず、自分にプライドを持っています。そのため、何かに失敗して自分の無力さを突きつけられた時にひどく落ち込んでしまいます。

そんな時に自分に優しい言葉を投げかけれるとストレスが抑えられ再び努力する気力が湧いて来ます。

マインドフルネス

ストレスを感じる人は嫌なことを消化できず、何度も思い出してしまいます。これを反芻と言います(牛が食事をする時に飲み込んだものを口に戻して来て咀嚼する行動に例えてこう言われています)。

この原因として「今」に集中できていないことが挙げられます。過去の嫌な出来事や未来の不安に取り憑かれているので不必要なストレスを感じてしまいます。

こうならないためにマインドフルネスが有効です。マインドフルネスにより客観的に自分を捉えることができるので「また、あの時のことを思い出して嫌な気持ちになっているな」と気づくことができます。気づくことができると思考を別の方向に向けて余計なストレスを感じなくて済むのですが、多くの人は自分がストレスに囚われていることに気づけません。そのため、マインドフルネスで自分を客観的にみる訓練が必要になります。

成長型マインド

成長型マインドとはストレスが自分の成長を後押ししてくれるものと捉えることを言います。

自分の人生を振り返ってみてどうでしょうか?自分が成長を実感できた時というのはストレスがかかっていたのではないでしょうか?短期的に見るとストレスで苦痛を感じますが長期的に見るとストレスがあって良かったと思えるはずです。

こうした捉え方はホールネスとも言われ、苦しみや悲しみも含めて自分の経験した全てのことが自分を成長させてくれるものと感じることを表しています。

成長型マインドって成功体験がないと作れないんじゃないの?と思ったかもしれません。しかし、成長型マインドは主人公が困難を乗り越えるような映画や小説を読むことでも引き出せることが知られています。詳しくは下記の記事を参考にしてください。

リラックスする時間を作る

隙間時間にリラックスする時間を作るのも効果的です。忙しいとは思いますが楽な姿勢をとりテレビを消してただボーッとする時間を作るのも大切です。

ただ、意外とボーッとするのも難しいです。何か余計なことを考えてしまうのが癖になっています。そういう人は森の中や砂浜、草原の中など落ち着く場所を具体的に想像してみましょう。例えば、砂浜をイメージする時には波の音やアイスクリームの味、足に感じる砂浜の感触、近くで遊んでいる子供達の声を想像します。具体的に想像できるほど効果が高まります。

他にも細かいテクニックとしては下記のものがあります。

リラックスする方法
  • メールを見ない
  • ガムを噛む
  • 自然と触れ合う
  • 十分な睡眠をとる

メールを見ない

メールをチェックしてしまうとそれが癖になり、常にメールの事が頭から離れなくなりストレスが溜まります。コロンビア大学の行った研究によるとメールをチェックする回数を1日3回までとするとストレスが抑えれるようです(R)。

仕事や友人との関係を疎かにするということではなく、日常生活に集中することが大事なようです。

ガムをかむ

野球選手がよくやっているようにガムをかむことでストレスを感じにくくなるそうです。

実際にスウィンバーン大学の行った実験ではガムをかむことでコルチゾールの量が低下し注意力やパフォーマンスが高まったというデータが出ています(R)。

他にもネガティブな気分を改善し穏やかな気持ちにさせるなどの効果もあるようですが、その理由は分かっていません。ガムによって脳の血流が良くなるという説もあるようです。

自然と触れ合う

都会で住む人にとって自然との関わりは癒しを与えてくれます。少しの時間でもいいので家から出て自然と触れ合うようにしましょう。また、自然から遠い場所でも映像や音を聞くだけでも効果があることが知られています(R)。

森林浴も不安を抑え免疫力を向上させ幸福感を高めることが知られています。イギリスのノリッジ大学のグループが行ったメタ分析でも森林浴の効果が確認されています(R)。
また、フィトンチッドという樹木が発散する成分が健康を促進するということや木漏れ日が風で揺らいでいる状態が心地よさを与えてくれることも知られています。

都会に住んでいて森林が近くにないという方は公園に行くだけでも効果があるそうです。

十分な睡眠をとる

リラックスする時間を確保するのは重要ですが睡眠を6時間はとるようにしましょう。6時間より少ないと免疫系が働きにくくなったり、ストレスを感じやすくなります。

不安障害の人は脳の偏桃体と言われる部分や島皮質と言われる部分が活性化していることが知られています。バークレー大学の研究では睡眠不足になることで偏桃体や島皮質が活性化しやすくなるという結果が出ています(R)。

もし、十分な睡眠が得られていないようなら仕事を休むことを考えた方がいいかもしれませんね。ストレスによって生産性が低下しているので残業する可能性が高まり睡眠時間を確保できない状態が続いてしまいます。一度、思い切って休んだ方が生産性が上がり、十分な睡眠が取れる生活を維持できるかもしれません。

まとめ

今回はストレスを発散させる科学的な方法について紹介しました。

自分から行動するタイプの過ごし方をするとストレスが発散できるようです。

しかし、なかなか旅行に行ったり運動をしたりというのはハードルが高いですよね。そのため、普段からストレスを溜め込まないようにジャーナリングやマンドフルネスを行なっておきましょう。

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