ダメな親の4つの特徴。子供の成長を抑制するやってはいけないこととは?
- 子育てでやってはいけないことが知りたい
- ついつい子供に悪影響を与えてしまう
- ダメな親にならないための方法が知りたい
子供が非行に走ったり、犯罪を犯す様な人に育つのではないかと心配ですよね。子供は親の背中を見て育つというので自分が間違ったことをしていないか心配になる人も多いと思います。今回はそうした不安を持っている人のためにダメな親が持っている4つの特徴を紹介していきます。
この記事を読むことで子育てでやってはいけないことが分かります。
ダメな親の4つの特徴。子供の成長を抑制するやってはいけないこととは?
親は子供が社会で生きていくための見本です。子供は常に親がどのように振舞っているかを観察し、社会で生き抜いていくための方法を探っています。ダメな親のもとで育った場合は子供もダメな親になる可能性が高まります。
そうならないためにもダメな親の特徴を持たないように気をつけましょう。
- 家のルールに従わない
- 感謝の気持ちを見せない
- 無理やり習い事をさせる
- 暴力を振るう
家のルールに従わない
親が早寝早起きする、お菓子を食べ過ぎない、テレビを見すぎない、などのルールを破ると子供もルールを守らなくなります。
自分で決めたルールを守るという能力は人生でとても重要です。
毎日1時間勉強する、中学を卒業するまで部活を続ける、など目標を設定することで困難なことにも粘り強く取り組めるようになります。
こうしたやりきる力はGRITと呼ばれ、この力がある人ほど年収が高くなったり、学力が高くなる傾向があります。完全にルールを守ることはできなくても、ルールを守ろうとする意志を見せることが重要です。
ルールが無いのも問題
ルールに従わないのが問題ならルールを決めなければ良い、と思った人もいるかもしれません。仕事や請求書の支払いに追われてルールを決める時間がないという人もいるでしょう。しかし、ルールが無い家庭では子供は自分に興味を持たれていないと感じたり、自己中心的振舞っても良いと思ってしまい自分を制御する能力が発達しないまま育ってしまうことが知られています。
そのため、子供は自尊心が持てず、学校での成績も悪くなってしまいます。また、自分の感情をコントロールできず攻撃的になってしまったり、他人に関心を持てず人間関係が希薄になります。
結婚したとしても子供に対して関心が持てず離婚率が高まることも知られています。
また、特定のルールを守る習慣が身につかないため、いつまでたっても子供のように振舞い、自分を守るために合理的な理由さえ受け入れようとしなくなります。
こうした問題が深刻にならないためにも家庭のルールを決めておくことをお勧めします。
嘘をつく
ルールを守らないのと同じように嘘をついてもいけません。相手に損をさせる嘘はもちろんですが、たとえ相手の事を思った嘘でも子供に悪影響を与えます。
例えば、お土産でもらったお菓子がおいしくなかったのに相手に「おいしかったよ」と伝えたとします。
一見良い事のように思えますが、子供には相手の気持ちを理解する能力がないため嘘をついても良いと認識してしまいます。
嘘はつかず「めっちゃ不味かった」と正直に言った方が笑いにもなります。正直に言えなくても嘘ではない「変わった味だった」など配慮のある言葉にしましょう。
食生活が健康的でない
ルールがないと子供はピザやフライドポテトのような糖質や脂質が多い食事をしてしまいます。好きなものだけを食べ、嫌いなものを残すようになると肥満になりやすくなり、大人になっても改善できません。
大人は毎日多くのエネルギーを消費するため糖質や脂質を取る必要がありますが、子供の成長には糖質や脂質はあまり重要ではありません。その代わり、牛乳に含まれるカルシウムや野菜から摂取できるビタミンやミネラルなどが必要です。
感謝の気持ちを見せない
子供に感謝できるようになってほしいというのはほぼすべての親の願いだと思います。しかし、普段の生活で感謝の気持ちを見せない親が多く、子供が相手に感謝できない子に育ってしまいます。
レジで何か買い物をしたときに「ありがとう」と店員に声をかけると子供もレジを打ってくれた相手に感謝するようになり思いやりや共感力が育めます。
ボランティアに参加するのもいいでしょう。
一緒にコミュニティーに参加することで社会をより良くしていこうという意識が芽生えます。また、普段の生活とは違った視点で世の中を見るようになり、ささいなことにも感謝するようになります。
社交的でない、感情的になる
友人との関係や見知らぬ人とのかかわり方、その時の感情をどう扱うかも子供たちは見ています。社交性や感情を扱うスキルは親の行動を見て学びます。
例えば、ストレスに対して怒ったり、悲しんだりしていると子供もストレスに対して同じように振る舞います。
逆にストレスを力にしてさらに努力すると子供もストレスを力に変えれるようになります。
無理に習い事をさせる
子育てをするときに子供に習い事をさせる親も多いと思います。しかし、子供が何に興味があるのか考えずに習い事をさせても効果が出ません。子供に習い事をさせる時には下記の2つの注意点を考えて見ましょう。
- 子供の成長段階に適しているか?
- 安心して習い事に熱中できる環境か?
子供の成長段階に適しているか?
習い事をするときには子供の発達段階に適していなければなりません。親が無理やり習い事をさせても効果は薄く、悪影響を与えてしまう可能性もあります。そのため、ますは下記の3つに注意しましょう。
- 年齢
- 気質
- 興味
年齢
習い事にはそれぞれに適した年齢があります。体操や英会話などは2歳からでも体や脳の発達に効果があります。しかし、サッカーや野球などの球技はある程度成長してからでないと効果が得られません。そもそも、ボールを蹴る、投げるといった基本的な動作すらできないからです。
また、チームスポーツは他の子供の感情などを考えなければならないというメリットがあるのですが、あまり幼いとそういった能力が発展しないのでチームスポーツをしても効果が出にくいです。
あまり早くから習い事をさせると苦手意識を植え付けることにもなるので気を付けましょう。
気質
習い事をさせる時には子供の気質に合ったものを選びましょう。
例えば、下記のような気質があります。
- 子供の忍耐力
- 親への依存度
- うまくいかなかったときの反応の仕方
- 他の子供との付き合い方
子供の忍耐力がない場合は結果が出やすい習い事にしましょう。音楽や英語のように他人と競い合わず成果が見えやすいものがおすすめです。小さな成果を積み重ねることで「自分にはできる」という感覚が身につき忍耐力を高めてくれます。
また、親に依存しているようなら付き添いのできる習い事が望ましいでしょう。親と一緒に教わることで安心感が生まれます。そのうち、親がいなくても自分で練習をするようになり自立が促されます。
他の子供とおもちゃを共有せず独り占めしてしまう子にチームスポーツは向いていないでしょう。それよりかは水泳や陸上など一人で極めていくスポーツが向いているかもしれません。
この様に、子供に適した習い事を選ぶことで子供の不安を和らげ、強みを伸ばすことができます。
興味
子供が何に興味を持っているのかを観察しましょう。とりあえずやってみることが大切です。子供自身も何に興味があるのか分かりません。
そのため、親は子供の様子をしっかりと観察し楽しそうにしてるか見極める必要があります。子供が退屈そうにしてるからと言ってすぐに他の事をやらせるのではなく、小さなことでも大げさに褒めたり「~を頑張ってくれてうれしいよ」と言った声掛けをして子供が興味を持てるように工夫しましょう。
親がやってたからいう理由で初めて見るのも良いです。すぐにアドバイスが聞けるため子供の疑問にタイムリーに応えることができます。これにより子供の成長が促進され成功体験を積み重ねやすくなります。
ただ、親の興味を子供に押し付けてはいけません。無理やり習い事を行っていると指示されたことしかできない子になってしまいます。自分の興味を発展させることで困難なことにもチャレンジできる子に育っていきます。
安心して習い事に熱中できる環境か?
習い事は子供を成長させてくれますが、子供が熱中できる環境を作らないと効果が出にくくなります。そのため、子供が安心して熱中できる環境を作りましょう。友達がけがをした場合など自分もケガするのではないかと不安になります。
ケガをした子供のケアをしっかりと行い、ケガしても大人が助けてくれるという認識を持たせましょう。こうしたケアが子供の安心感に繋がり習い事に熱中できるようになります。
夫婦間での意見を統一する
子供の習い事に対して夫婦間で同じ意見を持ちましょう。片方がピアノ、もう片方が野球と言ってもめていると子供はどちらを頑張ればいいのか分からなくなります。また、親がもめないように気を使い出して子供の成長が阻害されます。
目標についても意見を一致させましょう。片方がプロを目指すという目標でもう片方が楽しく体を動かす、では子供が混乱します。同じ目標を設定しておくことで子供に一貫した態度をとれるので子供の混乱を避けることができます。
もし、習い事を辞める場合はなぜ辞めるのか理由を明確にしましょう。習い事を辞めるのも子供にとっては良い学びの場です。夫婦間で同じ意見でないと子供がどう教訓を学べばいいのか分からなくなってしまいます。
他人と競争しない習い事も良いです。
囲碁や将棋など他人と競争する習い事の場合、結果に注目してしまい新しいスキルを習得するという目標を忘れがちになります。
しかし、他人を競争しない習い事は自分の記録や自分自身との戦いなので能力の向上に集中できるというメリットがあります。
習い事をさせるメリット
子供に適した習い事をさせることができれば次のようなメリットが得られます。
やり抜く力を身に着けられる
やり抜く力はGRITとも呼ばれ、この力があることで将来の年収が高くなったり、仕事で成功を収める可能性が高くなることが知られています。
また、ストレスに対処できるようになります。好きな習い事だったとしても嫌いになったり好きになったりと波があります。嫌いになったとしてもなぜ嫌いになったのか原因を突き止め、対策を立てることでストレスへ対処する方法を学びます。こうした能力が大人になった後の人間関係や仕事から感じるストレスを乗り越える力になります。
自分で工夫するようになる
習い事を始めると工夫する能力が身につきます。もっと上手くなるためにはどうすればよいのか?改善点を見つけ、改善するための時間を作るようになります。
一日のスケジュールだけでなく、年単位での目標も立てるようになり人生についての考え方も発展させていけるようになります。
チームスポーツの場合はチームのために何ができるか自分の役割を考えるようになり、大人になってから社会のために何ができるかという発想の源になります。
暴力を振るう
ダメな親でも絶対やってはいけないことは暴力を振るうことです。
暴力を振るってしまう理由として
・虐待による心的外傷
・社会生活からくるプレッシャー
・親の過干渉
・親の無関心
などが考えられています。
警察庁によると年々DVの相談件数は増えていて平成30年では9042件と4年前の倍以上になっています(A)。
こうした家庭で育った子供は暴力で問題を解決しようとすることがわかっています。また、2011年にイギリスで行われた研究によると暴力を振るう親の元に生まれた子供は非行に走る可能性が2倍高まるようです。
実際に2012年にPatti A. Timmons Fritz によって発表された論文では暴力的な家庭で育った人は大人になってもパートナーや子供に暴力を振るう傾向がある事がわかっています。さらに、暴力を振るわれると耐えることに慣れてしまい将来的に暴力を振るわれる可能性を高めるようです。
さらに、こうした傾向は暴力を振るっている人が自分と同じ性別の場合に強まるようです。
2012年にはランダムに電話をかけ、結婚後1年以上で3から7歳の子供が1人以上いる453人を対象にアンケートを実施しました。パートナーから1年以内に受けた暴力や過去に暴力を受けた経験についてのアンケートです。
この結果、両親の間での暴力があった人は自分の家庭でも暴力を振るいやすくなったり、暴力を受けやすくなっていました。しかし、夫婦の両方が経験しているからといってこの傾向が強まるわけではないようです。
また、両親から暴力を受けていた人は父から子への暴力は自分が暴力を振るう確率を10%高め、逆に暴力を受ける可能性を11%高めていました。しかし、母からの暴力は成人になって暴力を振るう確率を11%下げていました。
この結果から、母親からの暴力以外(両親間の暴力や父親から子供の暴力)が子供の暴力的な振る舞いを促進している事が分かりました。
子供の時の経験により家庭で暴力を振るったり、振るわれたりしやすくなっていると考えられています。
また、母親から子供の暴力が成人になった後の暴力と相関がなかった理由として子供が躾と捉えるのかも、という考察になっていました。しかし、母親は暴力を振るっていいということでないので注意しましょう。
暴力を振るわないためにはどうしたらいいのか?
子供をコントロールしようと思わないようにしましょう。親として厳しく躾けないといけないと思うかもしれませんが、肩の力を抜いて子供の考えを優先するようにしましょう。
子供に対して従うことを要求すると「なんでこんなことをするんだろう?」、「こうした方が効率よくできるんじゃないかな?」といった子供の考えを無視してしまいます。これでは子供の自分で考える能力が発達しません。その結果、子供を間違えることに怯え自己表現が苦手になります。
躾けをするときには背後にある理由も一緒に説明すると子供が何故怒られたのかもわかるので萎縮せずに成長できます。
気をつけても暴力を振るってしまうという人は感情的知性を身につけましょう。感情的知性とは自分を客観的にみて自分自身をコントロールする能力のことを言います。詳しくは以前の記事を参考にしてください。
家庭内暴力の悪影響
暴力は子供を身体的、精神的に傷つけるだけでなく長期にわたって子供に悪影響を与えます。子供の時の経験というのはその後の人生をどの様に生きていくかを決定します。
子供は暴力を受けないために行動する様になります
暴力を振るうと子供は暴力を振るわれないために行動するというマインドになってしまします。この状態では子供は自分の興味や関心に従って行動しないのでストレスを抱えやすく良いパフォーマンスが発揮できません。
子供の自発的な行動を抑制してしまうというのが暴力の恐ろしいところです。
愛情を表現できなくなります
暴力は子供の愛情表現を阻害します。暴力により親から愛情を得られるのか不安になるので恋人や友人に対して愛情を表現できなくなります。好きな子がいても声を掛けれなかったり、相手が困っているのに気づけても手伝う勇気が出なくなります。また、相手からの好意に対しても何か裏があるのではないかと不安になります。
相手を信頼できないと人間関係が希薄になるので人生の満足度も低下してしまいます。暴力はこうした愛情表現に対しても悪影響を及ぼします。
非社会的な行動が増加します
感情的で暴力を振るう親の元に生まれた子供は非社会的な行動がなぜいけないのか理解できません。そのため、薬物やアルコール中毒になりやすく身体的にも精神的にも不健康で失業率も高くなります。
また、人間関係においても同じようなタイプの人と付き合うことが多くなり暴力などによるトラブルが多く、貧困から抜け出せなくなります。
立ち直る力が低下します
私たちは普段の生活の中で様々な困難に遭遇します。
例えば、病気になったり、友人と喧嘩をしたり、仕事が上手くいかなかったりなどです。暴力を振るう親の元に生まれるとこうした困難からの立ち直りが遅くなります。
親からの励ましや困難なことへの対処方法を学ぶ機会がないため前向きに問題を解決できません。また、ネガティブな感情に対して上手く対処できないため鬱になる可能性が高まります。
理想の親とは?
理想の親とは子供とポジティブな関係を築こうと熱心で、愛情があるという特徴があります。また、厳しすぎず優しすぎず、年齢に適した接し方をして子供の年齢に合わせた責任を負わせていきます。
子供の要求にすべて応えるのではなく合理的なルールを作り、そのルールに基づいて判断します。ただ、かたくなにルールを守るだけでなく子供の感情も考慮して柔軟に対応できます。
子供との時間を大切にするため、子供が問題を抱える前に対処できます。コーネル大学の研究によるとこうした親の子供は有能で責任感が強くなる傾向があることが分かっています。
具体的に理想の親がしていることに下記の3つが知られています。
- 子供の意見を聞いて正しい方向へ導く
- 明確なルールを作るが子供の感情も考慮する
- 実体験から教訓を学ばせる
子供の意見を聞いて正しい方向へ導く
理想の親は子供の意見を聞いて心配事やアイディアを共有します。
また、会話の中でポジティブな感情を提供したり、子供の感情を受け入れます。
子供が困惑しているようなら「大した問題じゃない」、「悲観的になる必要はない」と励まし、子供が悲しんでいるようならその悲しみに寄り添います。
子供にその時の感情が不安なのか寂しさなのかラベルすることで子供は感情に対処できるようになります。
注意するときにも行動は否定しても感情は否定しません。「楽しむのはいいけど廊下を走ったらいけないよ」、「怒ってもいいけど八つ当たりはいけないよ」などと言って注意します。
明確なルールを作るが子供の感情も考慮する
ルールを作るときには理由も必要です。例えば、9時までには布団に入るというルールを作るのであれば子供の成長には睡眠が大事だから、という理由も一緒に教えます。そうすることで、原理原則が明確になり子供が納得してルールに従うことができます。
ただ、子供の気持ちも考慮します。例えば「~の理由で9時までに寝てほしいんだけど」と相談をします。その時に「9時まで」か「10時まで」という選択肢を持たせることも有効です。
重要なのは子供の意見を通すだけではなく、子供の意見をとしたときに家族に与える影響は自分が責任を持つという覚悟を持っていることです。
ルールを違反したときには厳しく指摘しますが、少しの違反だったり小さな問題の時には警告だけします。警告は何度も行わず言ったことを聞かないようであれば失敗を経験するまで放置します。
実体験から教訓を学ばせる
例えば、兄弟でテレビゲームをしていて弟が負けてばかりでゲーム機に八つ当たりをしたとします。
その時に、嫌な気持ちになった原因や弟がとった行動でその原因を改善できるのか問いただします。
この時に子供にとっての報酬を意識させると良いでしょう。怒りをコントロールした方がゲームをたくさんできたり、冷静な方がゲームで勝てる確率も上がる、などです。
この方が子供にメリットがあるため、ただ叱りつけるよりも効果的です。さらに、子供は感情を制御する能力を身につけることができ、自己制御能力や感情的知性を高めることが出来ます。
まとめ
今回は子供に悪影響を与える4つの振る舞いについて紹介しました。
重要なのは感情的にならず子供の意見も尊重した上で決めていく、ということですね。無理やり自分の意見を押し付けず子供も一人の人間として扱うことで子供も納得して成長していける様になります。
☑️参考文献
・Learning to make things happen: Infants’ observational learning of social and physical causal events
・Parents’ Effect on Child Behavior
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