性格を変えたい人必見!心理学に基づいた性格を変える方法
- 自分の性格を変えたい
- 性格を変えるための具体的な方法が知りたい
- 自分を分析する方法が知りたい
自分がもっと他人とうまく関われる性格だったらな、と思うことはありませんか?内向的な性格や些細なことが心配になる性格だと人生の満足度が低下することが知られています。また、人付き合いがうまい性格の場合、他人からポジティブな感情をもらいやすく、不安やストレスを感じにくくなることが知られています。どうやら性格が変われば人生も変わる様ですね。今回は性格を変えるための方法を心理学の研究をもとに紹介して行きます。
この記事を読むことで自分の望んだ性格を手に入れる方法がわかります。
性格を変えたい人必見!心理学に基づいた性格を変える方法
そもそも、性格とはどの様なものでしょうか?気性が荒い、人を雑に扱う、楽観的、元気がない、など様々な要因があります。
心理学ではこうした様々な要因をビッグ5というたった5つでまとめる事ができるとしています。
- 誠実性…約束を破らない、嫌な仕事でも責任感を持って行う、など
- 外向性…自分をさらけ出せる、人との関わるのが楽しい、など
- 同意性…他人の意見を尊重する、自分の考えを押し付けない、など
- 開放性…新しいことに興味を持つ、曖昧なことも嫌ではない、など
- 感情の安定性…細かいことを心配する、小さな事がストレスになる、など
この5つの要素のバランスを見ることでその人の性格を判断します。一般的には感情の安定性以外の数値は高い方が良いとされています。ビッグ5を測定して見たいという人はこちらをクリック。
では、どうすれば性格を変える事ができるのでしょうか?
性格を変える方法
性格を変えるためには自分のなりたい性格を決め、そのために努力しなければなりません。
例えば誠実さを高めたいなら人との約束を破らない様に心がけ、待ち合わせ時間にも遅れない様にします。
Hudson, Nathan Wは意思の力で性格を変えれないかビッグ5を用いて調査を行っています(R)。
方法としては具体的な目標を立て、それを達成した時の自分の姿や達成するために必要な具体的なステップを考えるというものです。
例えば、いきなり外交的な人間になろうとしても難しいので挨拶をする、知らない人に話しかけてみる、などの簡単なことからステップアップしていくというものです。
すると、目標を立て努力することで16週間後には自分の目標としていた性格に近づいていたことがわかりました。
また、他の人からの介入の効果も確認できています。ただ、目標のために努力しているのか」、「積極的に行動しているか」などの抽象的な質問による介入では効果は出ません。
「もし、クラスで反対したい事があったら自分の意見をいう」など行動を具体化する介入でないと効果が無いようです。
自分一人だと尻込みしてしまうので他人に目標を決めて貰った方が正しい目標設定ができる様です。
他にも、目標と介入によってそれぞれ別々の効果があることも分かっています。
目標はビッグ5のなかの外向性、同意性、感情の安定性に関する振る舞いは改善させましたが、誠実性、開放性に関する振る舞いには関係ありませんでした。
一方、介入(状況に応じた具体的な行動を決めておくこと)は外向性、誠実性、感情の安定性の改善に役立ちました。
どうやら、ビッグ5のうちのどの要素を高めたいかで目標と介入の2つを使い分ける必要があるようですね。
それにしてもなぜこのような効果が得られたのでしょうか?
理由は行動が変わったことにあるようです。
どうやら性格が変わったから行動が変わるのではなく、行動を無理やり変えることで「あれ、自分ってこんな人間だったんだ」と勘違いさせることで性格が変わるようです。
自分の望む性格の人をイメージしてその人の行動を真似ることで性格も変わるようですね。
おそらく、多くの人は性格が行動を決めていると思い込んでいると思います。しかし、実際は行動によって「こんな行動をしてもあまり嫌じゃないな」、「人と関わるの意外と楽しいかも」と自分の性格も徐々に変化していく様です。
自分の望む性格になる様に行動すればいいと言っても行動を変えるのは難しいです。どうすれば行動を変えれるようになるのでしょうか?
- 具体的な行動を決めておく
- 言い訳をしない
- 環境を変える
- 意志を持続させる
具体的な行動を決めておくとパフォーマンスが高まる
行動を変えるためには具体的な行動を決めておくことが重要です。
イギリスのシェフィールド大学が行なった研究では目標とその目標までの過程で想定される問題に対する具体的な行動を決めておくとパフォーマンスが高まるという結果が得られています(R)。
テニスプレーヤーを対象にした研究ではうまくいかなかったときに対する具体的な行動、例えば「もし、怒りを感じたときには自分を落ち着けて勝てると唱える」など行動を決めておくことでパフォーマンスが高まることが分かっています。
問題が起こったときにその場で考えるのは難しいので「何をすればいいのか分からない」という状態になってしまいます。
この状態を避けるために事前に決めておくことが効果的です。
他にもピザやフライドポテトなどのジャンクフードを食べようとしたときに「この感情を無視しよう」と自分に3回言い聞かせると決めておくことでジャンクフードの消費量が減ったという報告もされています。
こうした結果を性格の改善にも当てはめてみましょう。
その状況になった時に理想の性格の人がどう振る舞うかを考えていてはタイミングを失ってしまいますし、「また、今度にしよう」と自分が楽な方向に逃げてしまいます。
あらかじめ状況を想定しておき、その状況になったら機械的に行動するという方が行動する確率が高まります。
事前に行動を決めておくことで望んだ性格に近づけそうですね。
言い訳をしない
具体的な行動を決めたのに実行できないと意味がありません。そのため、行動できなかった時に言い訳をしない様にしましょう。
よくあるのは不誠実な行動をしたのに自分が誠実だと思い込む様に言い訳を作り上げることです。
例えば友達から100円玉を奪るよりも100円ののペンを奪る方が自分を誠実だと思い込めます。
なぜなら、ペンをとるのは友人関係と互換性があり、友人だからペンをとったと言い訳ができるからです。
このように柔軟性がある出来事には言い訳ができてしまうので、自分が誠実な人間であるという信念を傷つけずに不誠実な行動ができてしまいます。
2008年にNINA MAZAR によって発表された論文にこうしたデータがあるのでいくつか紹介していきます。
学生に不正ができる状態で数学の問題を解かせ、報酬として0.5ドルと2ドルもらうグループに分けました。その結果、0.5ドルだと不正を行う人が多くなり、2ドルだと不正を行う人が少なくなっていました。
この理由として、0.5ドルだと「少ないお金だし、まぁいいか」という考えになり2ドルだと罪悪感が出てきて不正をしにくくなったと考えられます。
さらにこの研究ではテストを受ける前に不正をしないと署名させることで0.5ドルでも不正をしにくくなることがわかっています。
学生に不正ができる状態で数学の問題を解かせ、1問の正解につき0.5ドルと交換するグループと4問正解で2ドルと交換するグループに分けました。
その結果、1問の正解につき0.5ドルと交換するグループの方が不正をする学生が多くなっていました。
この理由として1問0.5ドルという自分の自尊心が傷つかない様に柔軟に調整できたからだと考えられます。
この様に罪悪感を感じにくくする様な柔軟性が高い状況だと不正を行なってしまう可能性が高まります。
直接他人を傷つけなくても間接的に他人を傷つけてしまうことがあります。こうした影響も考えて行動できると誠実さが高まると考えられます。
誠実な人になりたい、という人は自分に言い訳せずどんな不正も許さない様に気をつけましょう。
ちなみに、サイコパスは道徳心がないので誰かを傷つけてしまおうが関係なく行動できます。誠実さが低く、思考の柔軟性が高いので罪悪感を感じることなく自分の利益を追求します。サイコパスにならないためにも誠実さを高める様にしましょう。サイコパスについて詳しく知りたい方は以前の記事を参考にしてください。
行動を変えるためには環境を変えよう
上記の調査で行動を変えることが自分の性格も変えることが分かりました。
行動を変えるには環境を変えると良いという報告もされているので紹介しておきます。
デューク大学のDavid T. Nealが行なった研究では行動を変えるためには環境を変えることが効果的という結果が出ています(R)。
新聞を読む習慣や運動する習慣を身につけるため、意思だけで十分なのか環境が重要なのかという試験を行いました。
その結果、意思はあまり関係がなく、環境の変化が行動の習慣化に大きく影響しているという結果が出ました。
人は環境に流される生き物なので意志を強く持っていたとしてもそのための環境が整っていなかったら行動できない、ということですね。
こうした例として3秒ルールが知られています。何かをしようとした時に3秒以内に始められる環境を用意しておくと行動しやすい、というものです。例えば勉強をするのに倉庫から勉強道具を取り出さないといけない様な環境だと勉強しなくなります。それよりかはテーブルの上にいつも揃っている状態にしておくと勉強し易くなります。
なぜ、環境を変えるのがいいのか、ということも分かっています。
なぜ環境が重要かというと人は習慣で動いてしまう習性があるからです。
飲み会にはいつもの店を選んだり、来ていく服がパターン化されている、など私たちは考える必要が無いように習慣化しています。
そのため、行動を変えるためにはこの習慣から抜け出せる環境を用意しておくことが有効になります。
例えば、芸術的関心を高めるため週に1回美術館に行く、利他主義的な行動ができるようにボランティアサークルに加入する、などです。自分の高めたい性格に合うような環境に身を置くことで性格を変える行動を起こせます。
ただ、人はこうした環境の変化の好まない、ということも分かっています。その理由としては今の状態を良い状態と捉えてしまうバイアスが挙げられています。
将来的に良い結果が得られる可能性が高くても今の状態から悪くなる可能性や他人からの目を気にして環境を変化させようとしないようです。
わかりやすいのは物に愛着を持ってしまう、という例です。2万円で買ったワインを3万円で買い取りたいと言われても愛着が湧いて売りたくない、という場合などが当てはまります。
意志の力を持続させる
ビッグ5の構成要素はさらに分解でき、ファセットと呼ばれます。
行動を変えるとファセットにはすぐに効果が出るのですが、ビッグ5の特性で見たときには効果が現れず、長期で見ないといけないことも分かっています。
ビッグ5のファセット
- 誠実さ…自己交換力、秩序、忠実さ、達成努力、自己訓練、慎重さ
- 感情の安定性…心配、怒り、鬱、自意識過剰、過度、脆弱性
- 外向性…友情、社交性、自己主張、活動レベル、興奮を求める行動、快活さ
- 同意性…信頼、道徳性、利他主義、協力、慎ましさ、同情
- 開放性…創造性、芸術的関心、情緒性、冒険性、知性、自由主義
誠実さを構成する自己効力感や秩序はすぐに効果が出ますが、誠実さ全体で見たときには長期でないと効果が見られない、ということですね。
性格を変化させる実験では自分の性格の変化に満足するにつれて性格を変えたいという意志が減っていました。
性格が改善して満足してくると性格を変えたいという意志の力も弱まるので効果も減少していきました。
性格を変えるためには強い意志を維持することが目標と介入の効果を高めていると考えられます。
意志が強く持てないということはそこまで性格を変えたいと思っていないということなのかもしれませんね。どうしても性格が変わらない、という場合は本当に性格を変えたいのか考えて見ましょう。
性格を変えたい人は多い
これまで性格を変える方法を紹介しました。
性格を変えたい人は「私だけが性格を変えたいと思っている」と感じやすく自分だけが損をしている様な気になってしまいます。しかし、実際には性格を変えたい人は多くいます。
テキサス州の南メソジスト大学のHudson, Nathan Wによると今の性格に満足しているのはたった13%しかいないようです。
特に今の生活に満足してないと性格を変えたいと思う人が多くなるようです(R)。
ほとんどの人はもっと我慢強い人になりたいとか、感謝を言葉にできる人になりたいなどと思っているようです。
性格を変えたいというのはあなただけではなく、多くの人に共通した悩みの様ですね。
多くの人は思った様な性格に慣れていない様ですが、何が性格を決定しているのでしょうか?
- 遺伝
- 年齢と経験
- 社会的な役割
- ロマンチックな関係
- 振る舞いの変化
ほとんどの要因は自分ではどうにも出来ないことです。自分が思った様な性格でないとしても自分に原因があるわけではないのでどうしようもありません。
ただ、どうしても性格を変えたい人は今回紹介した振る舞いを変える様にしましょう。今回紹介した方法を使うことで性格を変えることができます。
まとめ
今回は性格を変えるためにか行動を変えることが重要という話を紹介しました。また、行動を変えるためには環境を変え困難なことに遭遇したときの具体的な対処法を決めて置くと良いようです。
外交性を高めたい人はいつも行くお店の店員さんに話しかける、普段話さない同僚に話しかける、など具体的な振る舞いを決めましょう。
また、その課題をクリアすることで自分がどのように変われるかイメージすると行動に移すモチベーションになります。
性格を変えて望んだ申請が手に入ることを願っています。
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