人口減少に関する2つの大きな間違い

人口減少に関する2つの大きな間違い

人口減少で日本が衰退していくと言うのは本当でしょうか?

➡︎嘘です。2010年以降人口が減少している国は25カ国あります。その中でインフレ率がマイナスになっているのはギリシャと日本だけです。

つまり、人口減少と経済の低迷は関係ないと言うことです。

それにもかかわらず、人口減少により経済が低迷するから外国人労働者を増やさないといけない、年金制度が破綻する、といった間違った認識が広がっています。

今回は高橋洋一さんのこの数字がわかるだけで日本の未来が読めるを参考に人口減少の間違った認識ついて書いていきます。

人口減少は日本の危機なのか?

人口減少の問題を議論する時によく出てくる理論が働き手が少なくなるから経済も低迷すると言うものです。

本当にそうでしょうか?

経済を見るためには3つの重要な指標があります

  • GDP
  • インフレ率
  • 失業率

安倍政権になって失業率は大幅に改善し、デフレを脱却しようとしています。GDPは相変わらず数%の上昇なので人口が現象していても経済は発展していると言えます。

それにも関わらず、

  • 働き手が少なくなるから外国人労働者を増やすべきだ。
  • 労働人口の現象で年金制度が破綻する。

という間違った指摘がされています。

今回はこの2つの間違った認識について書いていきます。

外国人労働者は増やすべきなのか?

➡︎増やすべきではありません。現在受け入れている人たちの管理を徹底するだけで十分です。

労働人口減少のため外国人労働者の受け入れを進めています。
安倍政権になって外国人労働者は70万人から130万人へと2倍近く増加しました。

では、外国人労働者のおかげで経済成長を続けられているのでしょうか?

➡︎違います。マクロ経済学的に言うと人手不足はインフレの好材料です。

人手不足になると人を雇うために給料を高く設定するようになります。すると商品の製造コストが高くなるのでインフレが進みます。物価が高くなると給料に使えるお金も多くなり、再び賃金が上昇します。

このように人手不足はインフレの好材料になります。

つまり、外国人労働者の数を増やすことは給料を下げインフレを抑制することになります。

産業界からの圧力もあるでしょうが、あまり積極的に受け入れを拡大するのではなく、今の外国人労働者の管理を徹底する必要があると述べられています。

近年では外国労働者を違法な低賃金で労働させた、というニュースが話題になっています。

まるで奴隷のように働かされる外国人労働者が増えてしまうのはよくないですし、日本のデフレを促進してしまいます。

そのため、外国人労働者が正当な報酬をもらえるよう徹底した管理が求められています。

人口減少で年金制度が破綻する?

よく言われるのが肩車型の年金制度になってきていると言うことです。

昔は複数人で1人の高齢者の年金をまかなえば良かったのですが、労働人口の減少により1人で1人の高齢者を負担しなければならなくなる、と言う理論です。

しかし、これは人数だけの話で高所得者は何人もの高齢者の負担を背負っています。そのため、ただの人数で考えると言うのは全く理にかなっていません。

それよりかは経済成長とデフレからの脱却を考えなければなりません。
この2つを達成できれば政府の収入も増えるので人口が減少しても年金制度が破綻する事はありません。

ただ、老後の格差の問題はあるようです。

高齢者の格差が広がる

年金は3階建で説明されることが多いです。
1階が国民年金、2階が厚生年金、そして3階が私的年金や厚生年金基金です。

この3階にどれほどお金を貯めているかが老後の格差を生み出します。

ではどのように3階を組み立てていけばいいのでしょうか?

厚生年金基金は数学的にありえない運用の仕方をしていたようで、破綻しても当然でした。一方、私的年金は貯蓄機能が高く保険機能が小さいため著者はオススメしていません。

それよりかは個人型確定拠出年金をオススメしています。

個人型確定拠出年金とは?

加入者が毎月一定の金額を積み立て、あらかじめ用意された定期預金・保険・投資信託といった金融商品で自ら運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取ると言う仕組みのことです。

?確定拠出年金のメリット

  • 積立金額すべて「所得控除」の対象で、所得税・住民税が節税できます。
  • 運用で得た定期預金利息や投資信託運用益が「非課税」になります。
  • 受け取るとき「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象です。→受け取った金額が控除の対象となると言うこと。

?確定拠出年金のデメリット

  • 60歳になるまで引き出せない
  • 専用口座の開設、維持に費用がかかる

詳しく知りたい人は公式サイトを確認してください。

なぜ人口減少を問題視するのか?

高橋洋一さんは人口が減少すると役所の仕事がなくなるからだと述べています。

人口が減少すると2つの自治体を見るのに1つの役所で十分になります。すると、職員の数が余りリストラや早期退職の必要性が出てきます。

職員の減少は仕事の効率化につながり財政基盤も強化されます。しかし、自分達の生活を脅かされたくないため、お役所都合で人口減少を嫌っているようです。

よく過疎地域が人口が増えたと言うのは良いニュースとして扱われますが、人口減少がそこまで悪いことではないのでミスリードなニュースになってしまいます。

地方自治体が人口を増やそうと努力するのはいいのですが、日本に貢献しているかは疑問です。

人口減少の悪影響

人口が現象しても失業率が減り、インフレ率が高まると言うことは既に説明しました。

しかし、GDPの減少は指摘されています。

この問題を解決するためにはどうすればいいのでしょうか?

IMFは外国人労働者や女性、高齢者などの労働参加を推奨しています。一方で著者は情報処理技術(ICT)の活用を勧めています。

ICTとは作業の機械化やAIなどの活用のことを言います。

確かに人がやってる仕事でも機械にやらせばいいことって結構あると思います。
例えば、レジや受付、事務作業などです。

こうした作業を機械に任せて業務を効率化すれば実質GDP成長率の1%は上乗せできると計算されています。

人口減少によるGDPの現象が0.7%なのでICTの導入で十分カバーできます。

まとめ

今回は人口減少の影響を紹介しました。

マスコミが言うほど悪い影響は無いようです。むしろ、デフレの脱却には好材料で日本の長い不景気からの脱却を後押ししてくれそうです。

年金制度の問題もマスコミの指摘は見当外れで正しくデータを見ないといけないといけない事がわかります。

興味のある人は確定拠出年金を始めてもいいでしょう。

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