仕事のモチベーションを維持する6つの心理学的方法

モチベーションを維持する6つの心理学的方法
この記事はこんな悩みを解決します
  • モチベーションの保ち方がわからない
  • 仕事にやりがいを感じられない
  • モチベーションを維持するための方法が知りたい

一時的にモチベーションが高まることがあってもそれを維持するのは難しいですよね。モチベーションを維持しなければ長期的な成果は見込めません。

ちなみに、モチベーションが維持できず、燃え尽き症候群になることが世界的な問題となっています。

この記事を読むことでモチベーションを維持する方法がわかります。

仕事のモチベーションを維持する6つの心理学的方法

モチベーションを維持するための5つの方法を紹介します

  1. 小さい目標設定にする
  2. 仕事の順番を工夫する
  3. ジョブ・クラフティングを行う
  4. プライベートの過ごし方を工夫する
  5. モチベーションの由来を認識する
  6. 悪い予想をしない

小さい目標設定にする

私たちは仕事をしていて前進しているという感覚を持つとモチベーションが高まることが知られています。

そのため、仕事をする時にはその仕事を細かく分けて目標を設定し、1つずつ終わらせていくことで前進している感覚が得られます。

進捗がやる気を高める

ノースカロライナ大学のデール・シュンクは学生たちが進捗に満足するとその後の難しい問題にも挑戦するようになるという研究を紹介しています(R)。
ただ、簡単すぎては効果がなく、ある程度の難易度で努力が必要でないと効果がありません。努力して達成感を得ることで「自分にはできる」という感覚が高まります。

仕事でも同じような現象があることが分かっています。

ハーバード大学のテレサ・アマビールは進捗があることで従業員のインナーワークライフが高まり成果を出せるようになるとしています。

インナーワークライフとは

感情、認識、モチベーションのことを言います。この3つが高いことでクリエイティブな発想ができるようになったり、仕事への集中力が高まることが分かっています。

このように大きな目標に加え小さな目標を作ることで進捗が得られます。この「前進している」という感覚を作るようにするとモチベーションを維持できます。

仕事の順番を工夫する

仕事を進めていく上で好きな仕事と好きでない仕事があると思います。最初に好きな仕事をしてしまうとその後の仕事へのモチベーションが低下してしまうことが分かっています。

好きな仕事をするとその後のタスクに集中できない

ウィスコンシン大学で行われた研究では被験者がモチベーションの高いことをした後には次のタスクに集中できなくなるという結果を出ています(R)。
モチベーションが高い、低い、中間のグループを作るために好きな動画やライフハック系の動画、数学に関する動画を見せ、その後のタスクに集中できたかを調べました。
その結果、好きな動画を見たグループではタスクのパフォーマンスが低下し、集中力も維持できていないことが分かりました。

この理由として好きなことをしているうちに集中力やエネルギーなどのリソースを使い切ってしまったことが考えられています。

自分が好きなことをするときは「内発的動機づけ」という自分の内側の欲求に基づいて行動しています。この時には少ないストレスで新たなことや挑戦的なことにも高い集中力が発揮できることが知られています
しかし、その後に好きでないことをするときは興味や関心がないため集中力が低下してしまいます。

また、同じ研究の中でモチベーションの高い人はパフォーマンスが低いということも確認されています。

モチベーションの高くてもパフォーマンスが低下する?

ウィスコンシン大学のチームはデーパートの店員を対象にモチベーションの高さと仕事の成果を調査しました。その結果、モチベーションが高い人は仕事のパフォーマンスにバラツキが大きく、平均するとあまり成果を出していないことが分かりました。モチベーションの低い人はばらつきが少ないのですが成果も出しにくく、一番成果を出していたのは中間のモチベーションの人でした。

どうやら、モチベーションが高くても成果は上がらないようですね。

こうした結果から、仕事をする時にはモチベーションをほどほどにして「好きでも嫌いでもない仕事→嫌いな仕事→好きな仕事」の順に仕事をするとモチベーションを維持しやすく成果が上がりやすいと分かります。

ジョブ・クラフティングを行う

ジョブ・クラフティングとは
・仕事の内容や方法
・人間関係
・仕事の捉え方
を変えることで働きがいを作ることを言います。

例えば、同じ仕事をしていても勉強したことを取り入れて仕事をする、誰かとチームを作って仕事をする、などにより仕事のやりがいが生まれます。

もし、モチベーションが上がらない場合はジョブ・クラフティングを行ってみましょう。3つを変えることでモチベーションを高めることができます。

プライベートの過ごし方

モチベーションを維持するためにはプライベートでの過ごし方も重要です。

持続的にキャリアを積み上げていくためには
・健康
・生産性
・幸福感

の3つが重要とされています。

いくら仕事がうまくいっていても健康を害したり、幸福感が低下していてはモチベーションが維持できず成果が出にくくなっていきます。

健康

プライベートでは健康のために運動したり、バランスの良い食事を取るようにしましょう。精神面での疲れにも注目して映画を見たり音楽を聞いたりするのも大切です。

生産性

プライベートでの過ごし方が仕事のパフォーマンスを高めることも分かっていて、仕事と関係のないことを熱心にする、仕事と関係の深いことを適当にやると仕事のモチベーションも高まるようです。

幸福感

幸福感は「慣れてしまう」という特徴を持っています。宝くじに当たって一時的に幸福感が高まっても1年後には通常の人よりも幸福感が低くなっていることが分かっています。

そのため、幸福感を高めるためには毎日の生活を少しずつ変化させていく必要があるとされています。

この3つを高めるようにプライベートを過ごすとモチベーションを持続させれます。

モチベーションの由来を認識する

モチベーションを維持するために成功することを目標にする方がいい人と、失敗しないことを目標にする方がいい人がいます。

自分がどっちのタイプなのか認識して仕事をするようにしましょう。
それぞれのタイプの人がどんな時にモチベーションが高まるのか紹介しておきます。

成功することを目標にする人
  • 新たなことや挑戦的なことにチェレンジする
  • 役割を決めない
  • 期待値の高い仕事をする
失敗しないことを目標にする人
  • マニュアルに沿って仕事をする
  • 役割を明確にして仕事をする
  • 戦略や方法をしっかりと考える

このように自分がどっちのタイプの人間かを考えて仕事をしましょう。
上記で紹介したジョブ・クラフティングと組み合わせて考えても効果的です。

悪い予想をしない

私たちは悪い結果だった時にショックを少なくしようと悪い予想をしてしまいます。しかし、悪い予想は思っているほどのメリットをもたらしてくれません。

悪い予想はメリットが少ない
  • ハーバード大学の研究によると求職者や病院で検査を受ける人、ニュースを読む人などは不合格の通知や悪い検査結果、悪いニュースを過大評価していることが分かっています(R)。
  • イェール大学の研究では不幸な結果だったとしてもポジティブバイアスがかかることが分かっています。ネガティブな結果の中にもポジティブなことを見出したり、不幸なことが起こると思っていたと過去の記憶を書き換えます(R)。
  • ノーベル賞を受賞したトーマス・ハーディーは私たちにはネガティブなことは弱め、ポジティブなことは強めるという性質があるとしています。このシステムは「心の免疫」として知られており、精神を健全に保つために役立ちます(B)。

ハーバード大学で行われた研究では悪い結果を予想することは結果が出るまでの時間をネガティブにするだけでメリットが少ないという結果を出しています(R)。
また、良い結果を予想していて悪い結果だった場合には一時的に気持ちが落ち込みますが、すぐに元の状態に戻ることも分かっています。

このように悪い結果を予想しないほうが前向きな気持ちで居られる時間が長くなるのでモチベーションの維持に役立ちます。

まとめ

今回はモチベーションを維持するための心理学的方法を紹介しました。

参考にして試してもらったら幸いです。

また、モチベーションの維持にはチームや上司の役割が重要ということも分かっています。

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